昭和十四年七月 医専逍遥歌 谷本恒一郎君 作歌 向井弘君 作曲 1. 楡の梢に影さして 此処北溟の天地にも 岡の牧場に萠え出でし 生命の群を思ふ時 爛漫香る花の色 2. 谷間に香る鈴蘭の 清き姿を求めつつ 遥か山路を分け入れば 故郷遠く陽は落ちて 游子に離郷の涙あり 3. 流れてやまぬ石狩の 自然の黙示眺む時 生命の科学に挑みつつ 此処に集ひし同胞の 吾等の胸に燃ゆるかな 4. ここ四歳の春秋や 牧場の園の延齢草 ポプラ並木に月は冴え 原始の森は暮れゆきて 行手遥かに北斗星