昭和十七年 北工会の歌 境隆雄君 作歌 1. あゝ石狩の平原の 郭公來り啼く楡の樹に 白く照り映え空高く わが学び舎ぞ聳え立つ 2. 新らしき世の朝ぼらけ 學と技とを積みなして 文化の塔を築くこそ われ等が重き使命なれ 3. 春萠え出づる若草に 伸び行く生命を思い見つ 北極星の凍る夜は 遠き天地を想ふかな 4. 見よや無限の大自然 富源あまねく滿つるとも いかで開かむ思慮深き 工匠の技を用ゐずば 5. 日毎に進む文明の 先駆者たるはそも誰ぞ 科學真理の行者たる わが技術者にあらざるや 6. 皇国二千六百年 東亜の空は今明けて 大陸もまたわが家ぞ 若き戦士の血は躍る 7. あゝ北海の霜雪に 鍛へられたる魂もちて 興亜日本の建設の 太き柱とならむかな 付記 此の歌は北工会募集に応募されたものである。