昭和六年寮歌 平和の光輝ける 広瀬英三君 作歌 金景洙君 作曲 (1,5 了あり) 1. 平和の光輝ける 春未だ浅き曙に 綾なす紫雲を分け出でて 彩色られ行く青春の 久遠の迷夢を求めつつ 声高らかに歌はなん 2. 陽光燦然乱れ入る 夏の窓辺に書よめば 寮庭に年経るアカシヤの 床しき薫香漂ひて いつか心懐の極みなく 蝦夷の昔にいたる哉 3. 秋も闌け行く北溟の州 白楊の華乱れとぶ 聖き都に寂寥の 静かに迫る此の夕べ 思索の迪を恵ぬれば 楡林に鐘はなり響く 4. 馬橇の鈴の音も絶えし 雪の大路を歩みつつ 声をかぎりに寮歌うたふ 凍れるものみな揺かして 星斗は高く冴ゆる夜の 大空のかなたへ消えて行く 5. 高き「理想」と「純情」に たぎる生命を託しつつ 憧れ集ふ若人の 情熱のかがり火打ち囲み 月下に酌むや楡の宴 いざや謳歌へん記念祭