昭和二十二年寮歌 暁の渚離りて 篠原昭壽君 作歌 竹内五男君 作曲 (1,2 了なし繰り返しあり) 1. 暁の渚離りて ふるきもの光なきもの 底ひなき海に抛れば いささけき水輪が呼ばふ 想ひ出の古りし仕草に 告ぐるなりいたき別れを 2. 永遠に絶ゆることなく ひたひたと寄する波間に 万象のよみがへりしを はぐくみしなさけ忘れず 真実の旗幟を取り持ち いゆくものひたあゆむもの 3. さあれ吾が幸は希望は ふたたび会ふ事なしと 燃ゆる火の炎立ちに消えぬ あるはただ宿命のみなる さだめ故旅を行くなり いたましきいのちと云はめ 4. 小船もて浜伝ひ行き 火の神の荒ぶる山を 怖れみてかへりみすれば たちまちに幻惑は裂け くれなゐの血潮流れて 天地は夕焼けにけり 5. 涯知らぬ海さまよひて い着きしは辛夷咲く丘 友垣とあつく結びて いたましき宿命とかむと ひたざまに立ちあへぐ夜半 静かなり星は降りつつ 6. 溢れ出る涙留めて 丘高く秀づる草の 友よ見よ紅に映ゆるを 歓喜に充てるそよぎを 春秋は移りて行けど 睦びつつ耐へてを行かな