昭和三十九年度寮歌 偉大なる北溟の自然 司馬威彦君 作歌・作曲 (序,1,結 了なし繰り返しあり) 序. 偉大なる北溟の自然は 我が眼前に限りなく広ごりて 野に満てる清冽の気は 雄々しくも気高き情懐もて 嶮路遙かに辿り来し 遊子が胸を今や満しぬ 1. 颷々の北風は荒び 白銀の華大地覆えど そははろかなる古より 汚れなき美の世界なれば 若人はひたぶるの 愁いを秘めて 異邦ゆ憧憬れ集いぬ 2. いよよ増す静寂のなかに 永劫の影宿す原始の深森よ 先哲の行路を慕いて 思索胸に楡陵を歩めば 仰ぎみるエルムの梢に 萠え出ん若き情熱は 3. かりそめの宿にはあれど 忘れ得じ若き日の遍歴 彷徨えば夕陽の楡陵に 宵闇はかそけくも訪れ 睦みてし真心と友情に 篝火は赤く燃えたり 4. 輝ける北国のたくみよ されど優りて美しき自治の伝統よ 斗い苦悩み寮友と語れば などて疾く過ぎ行く二年の春 願わなん永久の栄えを 恵迪の寮故郷の上に 結. されど視よ我等が周囲を 邪悪なる権力は四方に荒び 我等が愛し誇らん自治の砦に 暴逆の誡は課されんとす されば我が寮友よ腕むすびて 今ぞ正義の旗を高くかかげん