昭和四十一年寮歌 いつの日か生命結ばん 須藤洋一君 作歌 吉川正文君 作曲 (1,2,5,6 繰り返しなし) 重畳たる手稲 藻岩の山脈を 吾が宿舎の青垣となし 鬱乎たる原始の叢林を 吾が逍遙の小径となす。 吾が寮友よ草原に出でよ、 暗き孤城より出でんかな。 深遠き蒼穹あまりに青く、 輝く雪原あまりに白し。 さればよしその身は 平々凡々ならんとも、 吾等が野望尽くるを知らず。 静寂を破る蛮声に、 吹雪鎮むる高吟に 青春の意気託しなん 1. いつの日か生命結ばん 碧空高き楡よポプラよ 黄金なす銀杏並木よ 枯れ枯れと曠野に朔風吹けば 荒涼の憂愁よぎりぬ 2. 島松の雪の路上に 手を振りし遠き日の夢 去り行きぬ偉大なる巨影 君聞くや馬上の声を 広ごれる石狩の原野に 3. 鶏はまだ長鳴かずして 貪れる熟睡をあとに 仄暗き叢林に佇立てば 今いずこ青き野望は 消え行くや先人の遺声 4. 蝦夷人よ今こそ瞑想え 星辰しるき彼の冬空に 天翔ける天馬の行方 吹雪き荒ぶ北風をつぶてを 若駒の鞭とはなさん 5. 睦み来て親友は高唱えど 舌苦き地酒に酔い痴れ ストームに身は狂乱うとも 忘れ得じ果てなき旅路 この惆悵誰に語らん 6. 暖かき光求めて 彷徨えり冷たき野末 北国に春来りなば 若き日の稚き愁思は 雪の如融けて流れん