大正四年寮歌 時轍乾坤に 沢田退蔵君 作歌・作曲 (1,2,5,6 繰り返しなし) 1. 時轍乾坤に回り来て 陽春駘蕩のおぼろよひ 紫淡く霞罩め 自治の流れは永遠に 若葉の陰を浮べつつ 吾等が幸を祝ふらん 2. 胡馬北風に嘶きて 越鳥南枝に巣を造る 世の濁江に逆へる 棹歌の声の勇ましき 三星霜の春のおきふしに 深き感慨のなからめや 3. 柴扉を出でて霜を踏み 川流を掬び薪樵る 崇き希望の若人が 歓喜憂苦を共にせし 友悌凋まぬ松柏と 幾千代かけて変らざれ 4. 彼の邯鄲の仮枕 栄華の夢も半にて 世の秋風に驚かん 目ざす真理の高殿は 遠く遙けし突進めいざ 心の駒に鞭打ちて 5. ウラルの彼方風凄く 陣雲くらき八街は 鉄騎百万駆りつつ 正義の光失する時 燃ゆる義憤を胸に秘め 起て自治寮の健男児 6. 自由の旗を振り翳し 平和の楯を掻き列ね 吾等起つべき時は来ぬ 見よや獅子王一吼して 曠野虎狼の影もなし 祝へ今宵󠄁の記念祭