大正六年寮歌 魔神の呪 佐藤惣之助君 作歌 植村泰二君 作曲 (1,6 了あり) 1. 魔神の呪アルペンの 白雪永久に清からず 見よ永劫と誓ひけん 平和の春は短くて 吹く凋落の秋風に 正義の光影くらし 2. されど儼然東洋に その義と侠を胸にして 燦たる北斗北陲の 強と仰がれ誇矜りつつ 自治を精神の我寮は 映華ある歴史十二年 3. 嗚呼北海の荒吹雪 白箭膚を擘くも 胸の狂瀾青春の 血潮に如何で比すべきぞ 力の緒琴高鳴りて 紅燃ゆる悶えあり 4. 残陽西に茜して 今日も暮れ行く手稲山 雲の五彩を眺めては 思ひは遠く渺茫の 彼の海を越え山を越え 雄図千里ぞ駆りゆく 5. 平和の流れ豊平の 狭霧罩めたる朝ぼらけ 東指して流れ行く 淙々の音を我聴けば 瀬々の河波声あげて 唄ふ「自由」の二字の曲 6. 今宵楡影に団欒して 月影に酌む自治の宴 廻る盃夜も更けて 北斗傾く玻璃の窓 いざ吾が友よ熟睡せむ 明日は人生の旅なれば