大正十五年度寮歌 ああ青春の歓喜を 木村左京君 作歌 牧野千代治君 作曲 (1,2,5 了あり) 1. ああ青春の歓喜を 宴の酔ひと言ふは誰れ 我が行く方の遠ければ しばしこの舎に憩ひして 草を茵の旅枕 明日の旅路を夢に見ん 2. 曠野に萠ゆる若草の しらべゆかしき喜びを そよ吹く風に寄するとき うららかに照る春の日は 霞の奥にまどろみて 光の波は野に充てり 3. 故郷の空は見えねども ただ野は広く路遠し 彼方の国に孜々として 歩みつづくる行人は 行手の空に湧き出づる 光の雲を如何に見る 4. 望の光見えざれば 世は永劫に常闇か 我が清純の魂の 撓まぬ旅は麗しく 頑迷の徒も起き出でて 我等の群に加はらん 5. あはれゆかしき人の世や 夜ふけの街を歩みつつ 遠き北斗の星を呼び 友も歌へば我も和し 来るはここぞ森の奥 光まばゆき自治の燈