昭和十四年頃
山岳部部歌 -山の四季-
朝比奈英三君 作歌
渡辺良一君 作曲

1.
ふぶきの尾根(おね)(かぜ)()みて
(はる)()ざしの おとずれに
(さわ)のなだれも (しず)まりて
(ゆき)げの(さわ)(うた)(たの)
いざ()こう ()(とも)
暑寒(しょかん)尾根(おね)芦別(あしべつ)
(きた)(やま)
ざらめの尾根(おね)()ばそうよ

2.
(さわ)(のぼ)りて いま五日(いつか)
ワラジも(あし)(した)しみぬ
三日(みっか)三晩(みばん)籠城(ろうじょう)
()ぎて(たの)しき (おも)()
いざ()こう ()(とも)
日高(ひだか)(やま)(なつ)(たび)
(きた)(やま)
カールの(なか)(ねむ)ろうよ

3.
(やま)紅葉(もみじ)(いろ)どられ
(いただき)(たか)(そら)()みぬ
新雪(しんせつ)(かがや)山山(やまやま)
いずれも(した)しき (とも)だちよ
いざ()こう ()(とも)
ニセイカウシュペにトムラウシに
(きた)(やま)
(さわ)のたき()(かた)ろうよ

4.
吹雪(ふぶき)()んだ (あさ)まだき
(こお)ったテントを ()()でて
はるかにのぞむ やせ尾根(おね)
朝焼(あさや)()ゆる ペテガリだ
いざ()こう ()(とも)
(こおり)尾根(おね)に アンザイレン
(きた)(やま)
(きよ)(いただき)目指(めざ)そうよ