水産放浪歌
(1,2,3 了あり)

富貴名門(ふうきめいもん)女性(じょせい)(こい)するを
純情(じゅんじょう)(こい)(だれ)()うぞ。
暗鬼紅灯(あんきこうとう)(ちまた)彷徨(さまよ)女性(じょせい)
(こい)するを不情(ふじょう)(こい)(だれ)()うぞ。
(あめ)()らば(あめ)()るもよし
(かぜ)()かば(かぜ)()くもよし
月下(げっか)酒場(さかば)にて(こび)()女性(じょせい)にも
純情可憐(じゅんじょうかれん)なる(もの)あれ。
(おんな)膝枕(ひざまくら)にて一夜(いちや)快楽(けらく)
(とも)(すご)さずんば
人生(じんせい)(ゆめ)もなければ(こい)もなし。
(とどろ)雷鳴(らいめい) (にぎ)舵輪(だりん) 
(にら)むコンパス六分儀(りくぶんぎ)
(われ)(うみ)()鷗鳥(かもめどり) さらば(うた)わん(かな)
(われ)らが水産放浪歌(すいさんほうろうか)

1.
心猛(こころたけ)くも鬼神(おにがみ)ならず
(おとこ)()まれて(なさけ)はあれど
(はは)見捨(みす)てて(なみ)()えてゆく
(とも)兄等(けいら)何時(いつ)また()わん

2.
朝日(あさひ)夕日(ゆうひ)をデッキに()びて
(つづ)海原(うなばら)一筋道(ひとすじみち)
大和(やまと)男子(おのこ)(こころ)()めて
()くや万里(ばんり)荒浪(あらなみ)()えて

3.
(なみ)彼方(かなた)南氷洋(なんぴょうよう)
(おとこ)多恨(たこん)()()てどころ
(むね)()めたる大願(たいがん)あれど
()きて(かえ)らじ(のぞ)みは()たじ

注 成立事情不明なるも蒙古放浪歌
(仲田三孝作詞、川上義彦作曲)の
換え歌と推定される。