明治四十一年寮歌
太虚の齢
田中義麿君 作歌
早川直瀬君・前川徳次郎君 作曲
(1,2,3,6 了あり)

1.
太虚(たいきょ)の齢(れい)は知(し)らねども
興廃(こうはい)うつる人(ひと)の世(よ)の
文化(ぶんか)の跡(あと)は四千年(しせんねん)
ありし往昔(むかし)を温(たづ)ね来(き)て
吾(わ)が世(よ)の状態(さま)を眺(なが)むれば
希望(のぞみ)栄(はえ)ある前途(ゆくて)かな

2.
嘗(かつ)てナイルの河水(かわみず)に
偉影(いえい)涵(ひた)せし金字塔(きんじとう)
アテネの春(はる)も夢(ゆめ)なれや
ローマの紅紫(こうし)また散(ち)りて
欧米(おうべい)の空(そら)今(いま)正(まさ)に
文化(ぶんか)の花(はな)ぞ盛(さかり)なる

3.
偉大(いだい)ならずや雪(ゆき)潔(きよ)き
ヒマラヤ山下(さんか)風(かぜ)薫(かほ)り
四百余州(しひゃくよしう)に吹(ふ)き入(い)れば
聖賢(せいけん)雲(くも)と叢起(そうき)して
深(ふか)き思想(おもひ)は東洋(とうよう)の
青史(せいし)不朽(ふきう)の誇(ほこり)あり

4.
今(いま)東海(とうかい)の一(いち)孤島(ことう)
文化(ぶんか)の潮(うしほ)寄(よ)せ来(きた)り
東西(とうざい)の岸(きし)を洗(あら)ひつつ
高(たか)き響(ひびき)を伝(つた)ふなり
孤島(ことう)にこもる国民(くにたみ)の
使命(しめい)などかは軽(かろ)からん

5.
既(すで)に天地(てんち)の利(り)は獲(え)たり
人和(じんわ)豈(あに)それなからんや
満韓(まんかん)の原(はら)遺利(いり)多(おほ)く
アルゼンタイン野(の)は広(ひろ)し
故人(こじん)の教訓(をしへ)聴(き)かざるや
「ビーアンビシァス
ボーイズ」と

6.
猛(たけ)き心(こころ)の往(ゆ)くところ
虎狼(ころう)鮫(こう)鰐(がく)ものならず
テキサス鍬(くわ)を入(い)るる可(べ)く
シベリヤ斧(おの)を振(ふる)ふ可(べ)し
故人(こじん)の教訓(をしへ)膺(むね)にせよ
「ビーアンビシァス
ボーイズ」と