昭和十七年寮歌
春来にけらし
橋爪秀雄君 作歌
杢子一雄君 作曲
(1,2,3,4 繰り返しなし)

1.
春来(はるき)にけらし白雪(しらゆき)
(あつ)(ころも)(おも)からん
綾羅(りょうら)(いと)(ほこ)ろびて
朧々(ろうろう)(ふか)五月(さつき)(やみ)
楡影(ゆえい)(ゆら)めく鼙鼓(ここ)()
夜霧(よぎり)()せる緑酒(りょくしゅ)()
(こぞ)りて(おど)(にれ)(せい)

2.
草茅(さうばう)しげき原始林(もり)かげに
(きよ)(ほのほ)(かこ)みつつ
(わか)情熱(こころ)(もと)むれど
人生(じんせい)(たれ)かよく()かん
ただ(まこと)なる(あい)()
寮友(とも)姿(すがた)(きよ)ければ
春宵󠄁(しゅんせう)(つみ)(たれ)()

3.
春秋(はるあき)(いと)(かぎ)りなく
文月(ふづき)(ゆめ)織女星(おりひめ)
あはれ手稲(ていね)(ころも)かな
(やま)()(ふか)くたそがれて
今宵󠄁(こよひ)銀河(ぎんが)祭日(まつりび)
永劫(えいごふ)(そら)(なが)むれば
天空(てんくう)(なが)(ほし)(ひと)

4.
雨月(うげつ)濁流(ながれ)滔々(たうたう)
豊川(ほうせん)()()(うれひ)
泥潦(でいらう)(しず)真清水(ましみづ)
(なが)るる(とき)()ざるとも
墳墓(ふんぼ)(つち)(きよ)くせん
(いくさ)(には)(たか)らかに
(なな)つの(うみ)潮音(てうおん)