昭和五十五年寮歌
楡は枯れず
新井桂二君 作歌
奥田和人君 作曲
(1,2,3 了なし繰り返しあり)
北(きた)に生(う)まれし者(もの)たちよ
北(きた)に出会(であ)いし者(もの)たちよ
北(きた)に奢(おご)れる者(もの)たちよ
北(きた)に歌(うた)える者(もの)たちよ
永遠(とわ)に祈(いの)りし
朝(あさ)は未(いま)だかなわず
百年(ももとせ)に織(お)りたる衣(きぬ)は
当(まさ)に引(ひ)き裂(さ)かれんとす
鳴呼(ああ)願(ねが)わくば二度(ふたたび)糸(いと)を紡(つむ)ぎて
限(かぎ)りなく澄(す)みわたる
穹北(きゅうほく)の空(そら)に舞(うた)わん

1.
朝靄(あさもや)けむる今(いま)ひとときの
熟寝(うまい)の夢(ゆめ)の幸(しあわ)せよ
覚(さ)めて現(うつつ)に見渡(みわた)せば
美(び)は崩(くず)れゆく北都(ほくと)なり
天空(てんくう)常(つね)に雲(くも)抱(いだ)けども
楡(エルム)は萌(も)えて大地(ち)をまねく

2.
清冽(せいれつ)の野(の)に道(みち)を耕(たがや)し
荒野(あれの)に明日(あす)を信(しん)じつつ
彷徨(さまよ)い行(ゆ)ける寂(さび)しさに
陽(ひ)は傾(かたぶ)きて我(われ)を見(み)る
虚(うつろ)いゆける時(とき)にこそ
楡(エルム)は映(は)えて風(かぜ)を斬(き)る

3.
北(きた)の自然(しぜん)は蝕(むし)ばまれゆき
青葉(あおば)の降(ふ)るや青春(はる)の寮庭(にわ)
忘(わす)るるなかれ大願(たいがん)を
胸(むね)に秘(ひ)めし涙痕(るいこん)を
時(とき)は人(ひと)はと変(か)われども
楡(エルム)は枯(か)れず空(そら)をさす