大正二年寮歌
幾世幾年
木原均君 作歌
柳沢秀雄君 作曲
(1,5 了あり)

1.
幾世(いくよ)幾年(いくとせ)流(なが)れけん
永劫(えいごふ)隔(へだ)つ後(のち)までも
洋々(やうやう)声(こえ)なく野(の)をこえて
銀河(ぎんが)に似(に)たる石狩(いしかり)の
岸辺(きしべ)静(しづ)けき夕(ゆふ)まぐれ
導(みちび)く星(ほし)を仰(あふ)がずや

2.
巷(ちまた)の塵(ちり)の跡(あと)を絶(た)ち
惰眠(だみん)をさます雪嵐(ゆきあらし)
毘嵐(びらん)万里(ばんり)をかけりては
天地(てんち)もゆらぐすさまじさ
万象(ばんしやう)淋(さび)しく装(よそほ)ひて
蕭々(せうせう)寒(さむ)き冬景色(ふゆげしき)

3.
めぐる月日(つきひ)の尾車(をぐるま)や
さざめく小河(をがわ)春(はる)告(つ)げぬ
あはれ幸(さち)ある北(きた)の国(くに)
緑(みどり)が丘(をか)に打(う)ち臥(ふ)して
薫(かほ)る微風(そよかぜ)身(み)にうけて
常世(とこよ)の春(はる)を偲(しの)べかし

4.
清(きよ)き真理(しんり)の渚(なぎさ)より
無窮(むきゅう)を照(て)らす最高(さいかう)の
天(あま)つ光明(ひかり)を探(さぐ)り得(え)て
迷(まよ)ひの羈絆(ほだし)解(と)きほどき
闇(やみ)を排(はい)して永遠(とこしへ)の
理想(りさう)の郷(くに)を拓(ひら)く可(べ)し


5.
一百(いっひゃく)意気(いき)みつ北蝦夷(きたえぞ)の
健児(けんじ)よいざや奪(ふる)ひ起(た)て
白(しろ)き朔風(さくふう)われにあり
曠野(くわうや)に練(きた)へし心身(しんしん)も
歌(うた)へ壮(さう)なる勝歌(かちうた)を
島根(しまね)に高(たか)く勇(いさ)ましく