大正十四年度寮歌
敝れし衣
外山徳次郎君 作歌
三溝清美君 作曲
(1,2,3,4,5 了あり)

1.
敝(やぶ)れし衣(ころも)の袖(そで)に散(ち)る
不香(ふかう)の花(はな)の小夜嵐(さよあらし)
淋(さび)しく強(つよ)く生(い)きぬ可(べ)く
手稲(ていね)の峯(みね)に響(ひび)くかな

2.
送(おく)る梅花(ばいくわ)の芳(かんば)せに
熱腸(ねつちやう)しぼる杜鵑(ほととぎす)
誘(さそ)ふ春風(はるかぜ)恨(うら)みては
散(ち)るも惜(を)しまぬ山桜(やまざくら)

3.
きのふぞ移(うつ)る秋風(あきかぜ)に
草木(そうもく)悲歌(ひか)を奏(うた)ひつつ
月(つき)の面(おも)ゆく鳥(とり)の影(かげ)
故山(こざん)の空(そら)に微(かす)み行(ゆ)く

4.
駄鞭(だべん)荒野(くわうや)に打(うち)ふりて
赴(ゆ)くや皇土(くわうど)の城(しろ)の外(そと)
青山(せいざん)我(われ)が有(いう)に帰(き)し
緑水(りょくすい)我(われ)を弔(とむら)はん

5.
国(くに)に誓(ちか)ひし丈夫(ますらを)の
夢(ゆめ)中原(ちゅうげん)にさまよひて
仰(あふ)ぐみ空(そら)にまたたける
北極星(ほくきよくせい)のかげ清(きよ)し