オホーツク海の秘密

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ビデオ3
二重構造の対流を見てみよう

冬、冷たい風をうけて表面の水が冷やされて沈み、下の水と入れかわります。 これを「 対流 」といいます。オホーツク海も、 さかんに対流をおこしながらしだいに深くまで冷えていきます。

しかし、冷えて重くなった表層の水は50mの壁は突破できません。 なぜなら、50mより深いところには塩分の濃い重い水があり、 対流はここで止まってしまう からです。このため、表層の水だけが冷やされていき、 海氷が生まれます。

ビデオ3では、ビデオ2で用意した二重構造を再現したビーカーに 下から熱を加えて対流を起こし、上層と下層の温度変化を調べました。

一方、日本海や太平洋には、オホーツク海ほど明瞭な塩分の境い目がないので、 ずっと深くまで対流が続き、凍り始める前に春がきてしまいます。氷が生まれるという点からいうと、 オホーツク海は水深50mの浅い海と同じ だったのです。これが、オホーツク海にだけ海氷が生まれるもっとも大きな理由です。


参考文献:青田昌秋 「白い海、凍る海」 東海大学出版会


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Last Updated 2002.Nov.18
by Saeko Mitsuda