惑星は太陽から放射エネルギーを受け取り, それと同じだけの
エネルギーを放射の形で宇宙へ放出することで, ある一定の温度を
維持している. これを放射平衡が成り立っているという.
太陽から入ってくる短波放射のエネルギーと, 惑星から出ていく
(地球の場合は長波もしくは赤外)放射のエネルギーは釣りあっている
という意味である.
惑星に大気が存在しない場合には, 太陽から受けた放射エネルギーは
惑星の地面によって吸収され, 惑星は暖められる. このとき注意すべき
なのは, 惑星がある反射率(アルベドという. 0〜1の値をとる. 地球のアルベドは
0.3である)で太陽からの放射を反射することである. よって反射されずに
惑星表面まで到達した太陽放射によって惑星は加熱される.
惑星はある温度 Te となり, この温度の4乗に比例した
放射エネルギーを宇宙に放出し, 惑星表面の温度を一定に保つ.
このときの温度 Teを有効放射温度という.