Hiroya Akiba's web site

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研究内容

水星の形成論

太陽系最内惑星である水星は、地表観測そして過去2回の探査機による観測から
1. 高い非圧縮密度
  - 水星:地球 = 5400 : 4100 (kg/m^3)
  - 天体の大部分を占める大きな核を示唆
2. 還元的な表面環境
  - FeOの欠如, CaSの相関, K,Cやといった元素の高い存在度
3. 明確な双極子磁場
  - 外核に軽元素が溶け凝固点降下している事を示唆
といった特徴を有していることが分かっている。
こうした特徴の説明として、かつては、水星の形成期にジャイアントインパクトによってマントルが 剥ぎ取られたと考えられていたが、近年必ずしもそうしたイベントを経る必要がないことが分かってきた。 つまり、水星の材料となった物質によって現在の観測値を説明できる可能性がある。
そこで、私の研究では水星の形成期に材料となった物質がどのようなものであったか、理論的に予測 することを目的としている。どのような元素を含んだ材料だったか予測することで 原始太陽系円盤における挙動に制約を与え、ひいては地球の水の起源を解明する手掛かりとなる ことが期待される。

水星の姿
水星の姿, solarsystem.nasa.govより