tcp/ip


TCP/IPとは

TCPとIPはそれぞれTransmission Control ProtocolとInternet Protocolの略語である.TCP/IPという言葉はあるプロトコル群の代名詞として使われることが多い.そのプロトコル群の中にTCPプロトコルとIPプロトコルが含まれる.

TCP/IPプロトコル群とOSI参照モデル


1977年からISO(International Organization for Standardization; 国際標準化機構)がOSI(Open Systems Interconection)モデルを考えていた.世界的にはOSI運動が盛んだったが米国はその例外だった.したがってTCP/IPプロトコル群はOSI参照モデルとは独立に発生したプロトコル群である. TCP/IPプロトコル群の発生はOSI参照モデルと独立したものであるが,目的[データ転送の信頼性,安全性,利用しやすさなど]が同じためそれらを作る発想が似ていた.したがってTCP/IPプロトコル群はよくOSI参照モデルと比較される.

OSI参照モデルとは

ISO(International Organization for Standardization)は、メーカや機種に囚われず に、コンピュータネットワークを構築できるように、通信手順(プロトコル)を次のよう に階層化した(OSI [Open Systems Interconnection]参照モデル)。
階層定められること
物理層ケーブルの種類やつなぎ方、信号の電気的特性
データリンク層やりとりするデータの単位、エラー検出、訂正を行う機能
ネットワーク層通信を中継する機能
トランスポート層データの紛失や重複を取り除く機能
セッション層ある通信があるコンピュータの中のどのプロセスなのか管理する機能
プレゼンテーション層文字コード、暗号、データの表現を変換する機能
応用層最終的に通信を利用するアプリケーションプログラムの機能


OSI参照モデルとTCP/IP階層の比較




TCP/IPプロトコル群の内,トランスポート層で働くプロトコルがTCPプロトコルで,ネットワーク層(インターネット層)で働くプロトコルがIPプロトコルである.

情報がルータを通じて転送される様子



ネットワークの装置の識別

●名前による識別方法
●ピリオドで区切られた4つの数値による識別方法
●ネットワークインターフェイスカードのMACアドレスによる識別方法

経路制御情報プロトコル(Routing Information Protocol(RIP))


最も広く使われているIGP(Interior Gateway Protocol)の1つは経路制御情報プロトコル(Routing Information Protocol(RIP))であり,それを実装したプログラム名,routedによってもよく知られている.このソフトウェアは経路制御の素早い交換のために,物理ネットワークのブロードキャストに依存している.



イーサネット

OSI参照モデルの物理層とデータリンク層を定めるもの。DEC、Intel、Xeroxの3社共通の仕様として、1980年に公開された。

イーサネットは、CSMA/CD(Carrier Sence Multiple Access/ Collision Detection)という方式で通信するインターフェイス\footnote{装置と装置を接続するのに必要な、それらの間で適合しなければならない、決めごと}である。イーサ(Ether)というのは、かつての物理学で信じられていた電磁波・光の伝播媒体である「エーテル」の英語式 発音に由来する。

CSMA/CDのネットワークは、バス型\footnote{他に、リング型、スター型がある。}である。また、通信方式はパケット通信\footnote{データを小さな単位に分割し、その単位で配送を行う。この方式は、大きなデータに回線が長時間専有されることがない。}である。

1) 送信したいコンピュータは、伝播媒体の状態をみる(Carrier Sense)。通信中の信号が検出されれば、その信号が検出されなくなるのを待つ。
2) 信号が検出されないので、データを送る。しかし、他のコンピュータの送ったデータと衝突した(Multiple Access)。
3)衝突したことを示す信号を、データを送った側は感知(Collision Detection)し、データの送信を中断。乱数に従う時間、待って、再度送信を行う。

MACフレ−ム

データリンク層で扱われる「データの単位」はフレームと呼ばれる。各フレームは、送信先/発信元の情報を含む。受信者はその情報の送信先の情報を自分と照合して、自分宛のデータを認識する。

自分と相手を認識するために、インターフェイスは特定の番号を持っている。この番号は、重複があってはならない。各々のインターフェイスのこの一意的な番号をMAC\footnote{Media Access Control}アドレスという。データは次のような、送信先/発信元のMACアドレスを含むフレームに分けらて、送受信されている。

プリアンブル
SFD
宛先MACアドレス
発信元MACアドレス
フレーム長
DSAP
SSAP
Control
データ
PAD



履歴 奥山尚範(1999/07/07)