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講演の電子化 #6 〜その他〜

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6. その他

6.1 CD-ROM 作成

CD-ROM 配布をするために,データを CD-R で焼く必要があります.この作業は Windows でも Linux でも構わなかったのですが,Linux で行いました.ISO イメージを作成するために mkisofs というプログラムを利用しました. UNIX,Windows, Mac のどれでも読めるようなハイブリッド形式のイメージを 作成しました.出来た CDイメージを cdrecord というプログラムを利用して CD-R に焼きました.

6.2 CD-ROM 複製

出来た CD-ROM を配布するためには配布分の CD-ROM を作成する必要があります. 1枚1枚 cdrecordで焼いてもよいのですが,その度に PC に負荷をかけ てしまいます(場合によっては占領してしまいます).従って,CD コピーマシン を利用しました.ただし,コピーマシンそのものは非常に高価ですので, 「学生さんはお金がない」 (マジ本気, マジ本気?)ので「CopyALL」 という怪しいハードを利用して自作しました.

「CopyAll」は

のようなもので,SCSI 機器のケーブルまたはターミネーターを差し込む部分 に取りつけます.取りつけられた様子は

です.表から見た画像は

です.上が CD-ROM ドライブ,下が CD-R ドライブです.2つのドライブが SCSI 接続されていて,その「ターミネーター」として CopyALL を指します. これだけで,比較的安価にコピーマシンを作成することが出来ます. CopyAll の値段は忘れてしまったのですが,1万円台か2万円台でした.

実際に CD を焼く方法ですが,焼かれるデータを上に,焼くデータを下に入れた後, CopyAll にある 「Copy」ボタンを押すだけです.しばらく待てば正常終了音を 出してくれます.以上で終了です.簡単です.

6.3 電子化の際の問題点等

以下に気づいた問題点等をいくつか挙げておきます(順番は気づいた順です).

6.3.1 質問を拾うことが出来なかった

発表者と質問者が異なる系統のマイクを用いていたために,質問内容を録音する ことが出来ませんでした.解決方法としては,1) MD レコーダーを2台にする 2) 同じ系統のマイクを用いる が挙げられます.

6.3.2 音声処理にかかる時間が膨大

今回,ここの部分は協力をしていただきましたが,WAV化及び分割処理で, 実際の発表の2倍だけ時間がかかることになります.分割処理は自動化することは おそらく困難なのですが,WAV 化については,最初の録音の時点で MD ではなく PC で直接 WAV で録音すれば省略出来ます.

6.3.3 引用文献の把握

OHP 画像を載せる際,引用した文献等も紹介する必要があるのですが,この作業は もしもどの文献かの手がかりが無い場合,非常に大変です.この作業を効率よく 行うためには,講演資料を電子化する予定がある場合事前に講演者にリストアップ してもらうとよいでしょう.

6.3.4 著作権の問題

この問題はとても重要な問題です.音声情報については講演者の了承が得られれば よいと思うのですが,OHP で紹介した他人が作成した図も電子化されます. このような場合にどうすればよいかということが実ははっきりしていません.

6.3.5 技術指導の必要性

今回の電子化の際,いろんな方に協力してもらいました.夏の学校開催前にこのような ものを作ることを考えていた人はほとんどいませんでしたので,以上紹介した 作業は急に,しかもノウハウもないまま行われました.そのため,技術指導も たいしてしないまま手伝ってもらったため,手直しが必要なものが(結構)ありました. 従って,事前にどのように作業をするべきかを教える必要があると感じました.

6.3.6 効率的な作業の分散化

前にも書きましたように,電子化の構想があった人がほとんどいませんでした. 従って,出来上がりのイメージが沸いている人もほとんどいませんでした. そのため,作成の際,ある特定の人に多大な負荷をかけてしまう結果となりました. このようなことを防ぐには,最終出来上がりイメージを作成グループの全員が 把握,その上で作業を分散させることが重要だと思います.

6.3.7 作業のルーチン化

主観が必要になる作業を最小限にする必要があります.これは,技術のある人の 負担を軽くするだけでなく,「電子化手法」として次の世代,もしくは広く 一般に提唱することが出来ます.

6.3.8 音声の文章化

今回は断念しましたが,音声データを文字としておこすことが出来ればさらに よいものが出来ると思います.ただ,そのためには膨大な労力が必要となります ので,音声認識ソフトの発達を待つ必要があるかもしれません.

6.3.9 さっさとやること

これ,重要です.

7. おわりに

今回の電子化ですが,実は参考にしたものはありません.僕の個人的なイメージ のもとに進めたプロジェクトです.従って,夏の学校の実行委員の,しかも協力 をしてくれた人たちでさえも,出来上がりは想像つかなかったと思います. 今後はこれがベースとなって改善を重ねてよりよいものができるとよいと思います.


kato@ep.sci.hokudai.ac.jp