最低限 UNIX / Linux [II]

  1. ファイルとディレクトリ
  2. シェル
  3. Unix の設定ファイル

3. Unix の設定ファイル

[3.1] システムの設定

PC 上には中核をなすカーネルや様々なプログラムが動いています. それらはそれぞれの PC に適切な設定をしてあげる必要があります. 皆さんはまだ一般ユーザでしかないのでシステムの設定を することはできません. しかしこの実験の後半では皆さんに OS のインストールやシステムの設定をやってもらうことになっています.

通常, プログラムの設定ファイルは /etc ディレクトリに置かれています. そのことを最低限覚えておいて下さい.


[3.2] ユーザ自身の設定ファイル

まず以下のコマンドを実行して下さい.

$ ls -a ~/

そうすると見慣れない . (ドット)から始まるファイルがいくつも表示されると 思います. それらは総称して「ドットファイル」と呼ばれ, ユーザ毎の環境を 設定しているファイル達です. これらは一般にホームディレクトリに置かれて いますが, 隠しファイルになっていて ls コマンドに -a オプションを 付けないと表示されません. 以下に有名なドットファイルを一覧します.

有名なドットファイルとその役割
ファイル名 役割
.bash_profile ログインシェルの設定.
.bashrc ログインシェル以外のシェルの設定
.xsession X の設定ファイル. X を起動する際に呼び出すプログラムが 書かれている.
.emacs エディタ emacs の設定ファイル
.netscape netscape のキャシュやブックマークが保存されている.
.ssh ssh の knownhost が保存されている.

この他にも多くのドットファイルが存在します. 大抵「.(ドット) + アプリケーション名」になっています.

例として Unix での代表的なエディタ emacs の設定ファイルである .emacs の役割をみてみましょう.

$ mv .emacs .emacs.bk
$ emacs
< 一度 .emacs ファイルを .emacs.bk に移動させます.

この状態で日本語のファイルを見てみましょう. おそらく文字化けして何も 読めないと思います. 次に emacs で .emacs というファイルを作成しましょう. .emacs というファイルに以下の行を書いて下さい.

(set-language-environment "Japanese")
(set-default-coding-systems 'euc-japan)
(set-terminal-coding-system 'euc-japan)
(set-buffer-file-coding-system 'euc-japan)
(set-default-font "-*-fixed-medium-r-normal-*-16-*-*-*-*-*-fontset-standard")

この状態でemacs を起動しなおせば, 日本語のファイルが読めるようになったと思います. さらに日本語変換ソフトウェアとして canna を使う場合は, 以下の行を .emacs に書き加えて下さい.

(set-input-method 'japanese-canna)
(global-set-key "\C-o" 'canna-toggle-japanese-mode)
(progn
 (load-library "canna" )
 (canna) )

emacs を起動しなおせば, canna を使って日本語が書けるようになったと思います. 日本語モードと英語モードを切替えるにはコントロールキーを押したままで o (オー) を押して下さい.

このようにホームディレクトリ以下に存在するドットファイルは ユーザ環境を構築するのに使われます. 誤って消してしまわないようにしましょう.


これらの雛型となるファイルは /etc/skel/ の下に格納されています. ユーザのホームディレクトリが新規に作成された場合, /etc/skel/ の 下に存在するドットファイルがそのホームディレクトリにコピーされます





最終更新日: 2000/10/19(杉山耕一朗) Copyright © 2000 inex