PC 上には中核をなすカーネルや様々なプログラムが動いています. それらはそれぞれの PC に適切な設定をしてあげる必要があります. 皆さんはまだ一般ユーザでしかないのでシステムの設定を することはできません. しかしこの実験の後半では皆さんに OS のインストールやシステムの設定をやってもらうことになっています.
通常, プログラムの設定ファイルは /etc ディレクトリに置かれています. そのことを最低限覚えておいて下さい.
まず以下のコマンドを実行して下さい.
$ ls -a ~/
そうすると見慣れない . (ドット)から始まるファイルがいくつも表示されると 思います. それらは総称して「ドットファイル」と呼ばれ, ユーザ毎の環境を 設定しているファイル達です. これらは一般にホームディレクトリに置かれて いますが, 隠しファイルになっていて ls コマンドに -a オプションを 付けないと表示されません. 以下に有名なドットファイルを一覧します.
ファイル名 | 役割 |
---|---|
.bash_profile |
ログインシェルの設定. |
.bashrc |
ログインシェル以外のシェルの設定 |
.xsession |
X の設定ファイル. X を起動する際に呼び出すプログラムが 書かれている. |
.emacs |
エディタ emacs の設定ファイル |
.netscape |
netscape のキャシュやブックマークが保存されている. |
.ssh |
ssh の knownhost が保存されている. |
この他にも多くのドットファイルが存在します. 大抵「.(ドット) + アプリケーション名」になっています.
例として Unix での代表的なエディタ emacs の設定ファイルである .emacs の役割をみてみましょう.
$ mv .emacs .emacs.bk $ emacs |
< 一度 .emacs ファイルを .emacs.bk に移動させます.
|
この状態で日本語のファイルを見てみましょう. おそらく文字化けして何も 読めないと思います. 次に emacs で .emacs というファイルを作成しましょう. .emacs というファイルに以下の行を書いて下さい.
(set-language-environment "Japanese") (set-default-coding-systems 'euc-japan) (set-terminal-coding-system 'euc-japan) (set-buffer-file-coding-system 'euc-japan) (set-default-font "-*-fixed-medium-r-normal-*-16-*-*-*-*-*-fontset-standard") |
この状態でemacs を起動しなおせば, 日本語のファイルが読めるようになったと思います. さらに日本語変換ソフトウェアとして canna を使う場合は, 以下の行を .emacs に書き加えて下さい.
(set-input-method 'japanese-canna) (global-set-key "\C-o" 'canna-toggle-japanese-mode) (progn (load-library "canna" ) (canna) ) |
emacs を起動しなおせば, canna を使って日本語が書けるようになったと思います. 日本語モードと英語モードを切替えるにはコントロールキーを押したままで o (オー) を押して下さい.
このようにホームディレクトリ以下に存在するドットファイルは ユーザ環境を構築するのに使われます. 誤って消してしまわないようにしましょう.
これらの雛型となるファイルは /etc/skel/ の下に格納されています. ユーザのホームディレクトリが新規に作成された場合, /etc/skel/ の 下に存在するドットファイルがそのホームディレクトリにコピーされます
最終更新日: 2000/10/19(杉山耕一朗) | Copyright © 2000 inex |