これから先, 実習前には毎回必ず, 以下の2 つのコマンドを実行して下さい.
前者の apt update は, 最新のパッケージのリストをサーバから入手することを意味します.
後者の apt upgrade は, 計算機にインストールされているパッケージのバージョンよりも
新しいパッケージが存在した場合, そのパッケージを最新の状態にすることを意味します.
これらはただ単に最新のパッケージを使えるようになるだけではありません. 古いパッケージにセキュリティーホールがあった場合, それを修正したパッケージに更新することができます.
すなわち, これら作業は最低限のネットワークセキュリティ対策を講じていることを意味するのです.
Debian の場合, Debian のホームページに
ソフトウェアのバグ情報が出ます. そこを読むと最新ソフトウェアがどこに存在
するのかわかります.
apt というコマンドを用いると,
ネットワーク上の指定されたファイル置き場にある最新版の中から, 自分に必要なパッケージだけを
自動で選択し, アップグレードしてくれます.
apt の設定ファイル(/etc/apt/sources.list)を見てみましょう.
$ lv /etc/apt/sources.list
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このファイルには最新ソフトウェア置場の情報が記載されています.
基本的には sources.list にすでに以下のようなパッケージ置き場の情報が記載されているはずです.
deb http://dennou-k.gfd-dennou.org/debian/ bullseye main
deb-src http://dennou-k.gfd-dennou.org/debian/ bullseye main
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また, "linux-image-3.16.0-4-amd64" のようなカーネルイメージと呼ばれるファイルの更新があった場合にはOS を再起動する必要があります.カーネルイメージとはOS の中核を担うカーネルの構築に必要なファイルです.
これから行う実技編では, 以下のように下線が引かれている部分をみなさんに実際に入力してもらいます.
先頭が "$" ならば一般ユーザでの作業, "#" ならば root での作業になります.
また以下のように, コマンド入力例に remote, local と書いてある場合があります.
remote はリモートホスト (相方の計算機) での, local はローカルホスト (手元の計算機) での作業を意味しています.
remote$ xeyes
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local$ ssh -X ***
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以降の実習ではこの部分に注目し, どの計算機で作業しているのかをしっかりと区別して取り組んでください.
local や remote など, 特に何も書いてないところは, 基本的にはローカルホストでの作業になります.
[1.1] 隣の計算機の人のアカウントを作成
- Debian にログインして言語環境変数 LC_ALL を ja_JP.UTF-8 にし, X を立ち上げる
- ターミナルを立ち上げる
- sudo を使って root になる
- 自分達の計算機に, 隣の計算機の人の分のユーザを作る
ユーザの作り方は
最低限 UNIX 1を参照
[1.2] ssh の設定変更
今回は ssh を用いて様々なデータをリモートホストと送受信します.
そこで 前回インストールした ssh の設定を少々変更する必要があります.
- sudo を使って root になる
/etc/ssh/sshd_config
を less で開き, X11Forwarding が yes になっていることを確認する.
- sshd_config はSSH デーモンの設定ファイル
# less /etc/ssh/sshd_config
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X11Forwarding yes
- 次に,
/etc/ssh/ssh_config
を vi で開き,ForwardX11の設定を yes に変更し, コメントアウトを外して設定を有効にする. (既に yes となっていたらそのままで良い)
- ssh_config はSSH クライアント(ssh) のデフォルトの設定ファイル
# ForwardX11 no → ForwardX11 yes
- ssh のデーモンを再起動し, 編集した部分を反映させる.
# systemctl restart sshd.service
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