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現在,ネットワークの通信方式としてユニキャスト,ブロードキャスト, マルチキャストがある. 一般によく使われている方式はユニキャストであるが, この方式は同一のパケットを同時期に重複してネットワークに流すので, 利用者が増えるとクライアントとサーバ間のネットワークが混雑し, サーバの負荷が高まることになる (藤井 直人, 2000). そこで,無駄なパケットをできるだけ流さないようにと考えられたのが マルチキャストという方式である.
それぞれの方式について簡単に解説する (Thomas A.Msufer, 2000).
□ ユニキャスト | |
ユニキャストとはホストとクライアント間のパケット配送が 1 対 1 で行われる方式である. 現在の多くのインターネットで使われている. この方式では要求してきたクライアントの数だけ, サーバ S (右図)周辺のネットワークに同じパケットが無駄に流れる. クライアントの数が多くなればなるほど,ネットワークへの負荷は大きくなる. |
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□ ブロードキャスト | |
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ブロードキャストは複数の相手にパケットを送信できる. この方式では,イントラネットスイッチとルータを通して, (イントラ)ネットワーク内のすべてのクライアントにパケットを送信する. この方式では要求していないクライアント (例えば左図の D) へも パケットが流れてしまう. したがって,小さなイントラネットワーク以外では使うことはできない. |
マルチキャストはユニキャストとブロードキャストの中間的なもので, パケットを特定多数の IP アドレスを指定して送信できる. ルータは要求したクライアントがいる方向にのみパケットを送信するために, マルチキャストに対応したものでなければならない.
マルチキャストの代表的なものとして以下のような方式がある (藤井 直人, 2000).
flooding でパケットをネットワーク全体に流すので, ネットワークの構成や状況によっては無駄なパケットが流れやすい方式である. 大規模ネットワークには不向きな方式でもある.
サーバはある決められた Core ルータに対してのみパケットを送る. 受信者は Core ルータに受信したいことを伝え,Core ルータ経由で パケットを受け取る.
この方式は flooding によってネットワークに無駄なパケットを流す必要がなくなる という利点がある.
しかし,多くの ISP (Internet Service Provider,プロバイダ) がマルチキャストに 対応してないというのが現状である.
Last Update : 2001/10/31 (koko@ep.sci.hokudai.ac.jp)