1. 鉄の欠損 惑星の全体の組成については、その平均密度からある程度推察できる。月の平均密度は約3.3g/cm3で、地球の平均密度(5.5g/cm3)よりもずっと小さい。この違いのもっとも簡単な説明は、月が全体として地球より鉄(鉄は太陽系でもっとも普遍的にある比重の重い元素である)が少ないと考えることである。 重力場と地震観測から、地球には中心に主に鉄からなるコア(中心核)を持っているの対し、月ではコアがないか、あったとしても大変小さいと推定されている。(おまけ:月震をしめした図) |
2. 揮発性物質が非常に少ない 地球と比べて月には揮発性物質元素(元素の中で比較的低い温度で気化してしまうもののこと。カリウム、鉛など)がわずかしかない。 つまり、月は地球に比べてカラカラなわけである。 |
3. 起源物質は地球と同じらしい 酸素同位体比のグラフにおいて、地球の物質と月の物質は同じ線上にのるで、 地球と月は共通の起源物質からできたと考えられる。 |
安定同位体である酸素16O,17O,18Oを用いた
グラフである。
このグラフにおいて傾き1/2の同一線上にのることは、起源物質が共通であることを意味する。アポロ計画によって月から持ち帰られた試料の値は、地球の物質の値と同じ線上にある。
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◯月の年齢は、地球とほぼ同じ(おまけ) 月の年齢はいくつであろうか? 太陽系の元素存在度と考えられるいん石、つまり太陽系で一番初めに固体になった物質の年代が46億年であり、地球はそのいん石が集積してできたのであるからいん石よりも新しいはずである。もっとも古い月の岩石の年代は45.1億年である。地球が月よりも先に誕生したならば、地球の年代は月と同じかそれよりも古いはずである。このように、地球の年代はいん石と月の年代をもとにかんがえられている。 |
月の試料の最古の年代は45.1億年である。これは、太陽系の年代46億年とほぼ同じであるので、月も太陽系初期に形成したと考えられる。 |
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