JEM-GLIMSミッション
国際宇宙ステーション(ISS)から雷放電と高高度放電発光現象 (スプライト,エルブスなど) を真上から観測するミッションです。 700例近い高高度発光現象を検出し,スプライトの詳細な水平空間分布を明らかにしました。
榎戸輝揚さん(京都大学)をはじめ,私を含む北海道大学・東京大学・理化学研究所・日本原子力研究開発機構・名古屋大学などの研究グループは,雷が大気中で原子核反応 (光核反応) を起こすことを突き止めました。地上に放射線検出器を設置し,2017年2月6日に新潟県柏崎市で発生した雷から強烈なガンマ線のバースト放射を検出しました。さらに35秒ほど遅れて,雷を起こした雲が検出器の上空を通過する際に,陽電子からの0.511 MeV対消滅ガンマ線の検出にも成功しました。これらは雷に伴うガンマ線が大気中の窒素と光核反応を起こした結果生じる,「中性子」と「窒素の放射性同位体が放出した陽電子」が起源と考えられ,理論的に予言されていた「雷による光核反応」の明確な証拠が得られました。成果をまとめた論文は11月23日,英国の学術誌『Nature』に掲載されました。
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田口真さん(立教大学)をはじめ,私を含む北海道大学・JAXAなどの研究グループは,開発をした中間赤外カメラ(LIR)(金星探査機「あかつき」に搭載)の観測によって,2015年12月に南北方向に約10,000kmにおよぶ弓状の模様を発見しました。この模様は,4日間にわたる観測期間中,金星大気中の東風(スーパーローテーション)の影響を受けずにほぼ同じ場所にとどまっていました。数値シミュレーションを用いて調べたところ,大気下層に乱れが生じると,そこから大気中を伝わる波が発生します。その波は,南北に広がりつつ上空に伝搬し,高度65km付近にある雲の上端を通過する際に観測された弓状の温度の模様を作ることが分かりました。本研究から,金星雲頂の観測から下層大気の様子を推測できることが示されました。この研究成果は,英国科学雑誌『Nature Geoscience』のオンライン版に2017年1月17日付で掲載されました。
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国際宇宙ステーション(ISS)から雷放電と高高度放電発光現象 (スプライト,エルブスなど) を真上から観測するミッションです。 700例近い高高度発光現象を検出し,スプライトの詳細な水平空間分布を明らかにしました。
金星探査機あかつきに搭載された雷・大気光カメラ (LAC) を用いて,金星大気中で発生する雷放電発光の検出を目指しています。 また中間赤外カメラ (LIR),紫外線カメラ (UVI) のデータも駆使し,放電メカニズムにせまります。
雷放電が大気の鉛直対流強度の指標となりうる可能性に着目し,台風・集中豪雨・竜巻などシビア気象の規模発達を直前予測する手法を開発します。 フィリピンにおける観測プロジェクト (SATREPS) を2017年4月から開始します。