研究内容

探査・観測ユニット

地球惑星の表層・大気・惑星間空間の熱的・物質科学的構造や循環・対流・散逸といったダイナミクス,大気・電離圏・磁気圏の物質的・力学的結合,さらには惑星オーロラ,雷・スプライト・放電現象といった発光現象について,地上・衛星観測を中心に,理論や数値モデリングと合わせて研究しています.金星探査機「あかつき」搭載のカメラを用いた金星における雷観測,国際宇宙ステーションからの地球の高高度発光現象観測(JEM-GLIMS観測終了,データ解析中),北海道名寄市に建設された1.6m 光学望遠鏡(ピリカ望遠鏡)を用いた金星や木星などの観測を学生主体で実施しています.また,北大・宇宙ミッションセンターと連携して,センターに所属する様々な分野の研究者と協力しながら,超小型衛星に搭載するリモートセンシング機器の開発や,それを用いた地球観測について研究しています.

探査・観測ユニットのホームページ

北大・宇宙ミッションセンターのホームページ

北海道名寄市に設置された北大ピリカ望遠鏡

主導研究室教員の主な研究と指導内容

高橋 幸弘

雷放電や電離圏・磁気圏での電気現象を軸に,地球及び惑星の大気を銀河宇宙線や太陽活動など宇宙空間との関連に注目しながら,その物理・化学過程の解明を目指す.そのために,北海道名寄市に設置したピリカ望遠鏡,惑星探査機搭載機器,地球周回の大学衛星,世界雷放電観測網などハード及びソフトウェアの開発とそのデータ解析を行っていく.

佐藤 光輝

地球惑星大気で発生するさまざまな発光現象を観測的にとらえ,それらの発生メカニズムと大気ダイナミクスを明らかにする研究を行っている.そのための衛星搭載用の光学観測機器の開発を主に進めている.

栗原 純一

地球・惑星大気および電離圏の諸現象に対し,観測ロケット・科学気球・人工衛星・航空機などの飛翔体に搭載する光学リモートセンシング機器やその場での直接観測を行う機器を開発して観測を行い,地上観測機器と組み合わせながら,諸現象を発生させるメカニズムの解明を目指している.

久保田 尚之

地球大気で発生する台風をはじめとした気象現象を対象に,地上や高層気象観測,これまで利用されてこなかった過去の気象データを復元するデータレスキューなどの手法を用いて,日変化から数十年規模で変動する様々な現象の解明を目指している.

石田 哲朗

地球超高層大気で発生する様々な電磁気現象を中心に,生存圏の諸現象を広く観測的に理解することを目指して研究を行っている.そのために必要な観測機器やデータ解析用ソフトウェアの開発も行っている.

起源・進化ユニット

分子雲から原始惑星系星雲・惑星へ至るまでの物質進化や,地球・惑星・衛星のコア・マントル・地殻・大気への分化,原始大気と表層環境の多様性の起源,惑星や月・氷衛星・冥王星の内部構造と熱進化,さらには原始地球や生命生存可能惑星における生命の起源について,理論・数値モデリング(原始惑星系円盤,惑星・衛星の分化と熱進化,大気の形成進化と熱的組成的構造)や宇宙化学実験(始原的隕石分析,鉱物蒸発と凝縮など),惑星探査データの解析により研究しています.複数の惑星探査ミッションにも参画しています.

惑星系形成の想像図

月惑星探査データの解析(左:重力,右:可視画像)

主導研究室教員の主な研究と指導内容

倉本 圭

太陽系の起源から地球・惑星・衛星の形成と進化について,主に理論的・数値的な手法を用いて研究する.究極の目標は天体としての地球の普遍性と特殊性を,比較惑星(系)学的・宇宙進化論的に理解することにある.これまでに扱ってきた具体的な問題は,分子雲から原始惑星系円盤にいたる惑星原物質の起源論,惑星大気の構造と進化,地球・惑星・衛星の熱史と分化など.将来火星衛星探査計画「MMX」のサイエンスのリーダーを務める.

橋元 明彦

太陽系を現在構成する物質は宇宙からもたらされた.太陽系の初期に宇宙物質がいかにして太陽系固有の物質に進化したかを,実験物理学・実験化学的に究明する.さらに太陽系の起源と進化の問題を,比較惑星学・隕石学的に考究する.

鎌田 俊一

惑星探査で得られたデータの解析と地球物理学(数値計算)を組み合わせることで,固体惑星や衛星の内部と構造,およびその進化を明らかにすることを目指している.月探査「かぐや」小惑星探査「はやぶさ2」木星系衛星探査計画「JUICE」など複数の惑星探査ミッションに携わっている.

計算・情報ユニット

地球・火星・金星などの「惑星大気の流れ」,惑星の核・マントルなどの「固体の流れ」,恒星大気・原始太陽系ガス円盤などの「宇宙の流れ」といった様々な「流れ」について,大規模数値シミュレーションを用いて研究しています.研究の展開にあたって,「惑星大気の流れ」をシミュレートするための数値モデルソフトウェアの開発,数値シミュレーション結果を解析するためのソフトウェアの開発,さらには過去の知見・セミナー情報などの電子アーカイブといった「地球惑星科学の情報化」にも積極的に取り組んでいます.

地球流体力学(GFD)研究室のホームページ

火星ダストのシミュレーション(計算・作図:荻原)

並列計算用にネットワークで繋がれた多数の計算機

主導研究室教員の主な研究と指導内容

石渡 正樹

地球型惑星の気候の多様性を数値計算と惑星流体力学を用いて調べている.生命を生み出す気候が実現する条件を明らかにすることを目指すとともに,全球凍結状態など地球とは異なる気候系を数値モデルによって仮想的に探検することも行っている.これまでに扱ってきた具体的な問題は,熱対流の基礎理論,暴走温室状態・全球凍結状態の発生条件の考察,赤道シアー流の安定性解析,熱帯降水活動の多様性,階層的数値モデル群の開発など.

小高 正嗣

惑星大気の循環構造を計算機シミュレーションを用いて再現し,地球大気との比較考察を基に理解することを目指す.現在は特に火星大気の循環に着目した研究を行っている.シミュレーションのための計算手法と数値モデルの開発にも力を注いでおり,それらをネットワーク上に分散する外部研究者との協同研究によって推進している.