MSI Multi-Spectral Imager
可視光マルチスペクトル撮像観測装置
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可視光マルチスペクトル撮像観測装置MSIは、北海道大学惑星宇宙グループ北海道大学大学院理学研究院附属天文台1.6mピリカ望遠鏡用に開発した可視光の天体撮像観測装置です。

MSIは、2種類の液晶波長可変フィルター(LCTF)と512x512ピクセルの電子増倍型CCD(EMCCD)カメラを備え、LCTFとEMCCDカメラとを組み合わせることで、金星や木星などの太陽系惑星の波長400nmから1100nmに渡るマルチスペクトル画像(複数の異なる波長の狭帯域バンド画像セット)を素早く取得することができる世界的にもユニークな観測装置です。
MSIのLCTFは、液晶を用いたLyotフィルターの一種で、液晶を電気的に制御することで、透過波長バンドを機械的な可動部なしで素早く変えることができます。 2つのLCFTの波長域は、それぞれ400から720nmと650から1100nmで、バンド幅はいずれも約10nmです。
また、EMCCDカメラは最大約32Hzの高いフレームレート(フルフレームの場合)かつ高感度で画像を取得可能で、シフト・アンド・アッド法やラッキーイメージング技術を用いて地球大気のゆらぎの影響を減らし、空間分解能の向上を図ることができます。 観測装置の視野は3.3x3.3分角、ピクセルスケールは0.39秒角です。 フィルターホイールも備えており、UBVRIバンド広帯域フィルターや中心波長360nmから390nmの干渉膜狭帯域フィルターを用いた観測も可能です。 また、LCTFやWollastonプリズムを用いた偏光観測も可能となっています。

MSIはカセグレン焦点に取り付けられ、2011年2月にファーストライト観測に成功しました。 ピリカ望遠鏡の主力観測装置として、これまでに、さまざまな天文学・惑星科学研究に使用されています。

なお、MSIの詳細についてはSPIE2012の集録(PDF)をご覧ください。

MSI photo

Multi-spectral images of Jupiter

[MSI] [附属天文台] [惑星宇宙グループ] [宇宙理学専攻] [大学院理学院] [北海道大学]

Makoto Watanabe, Department of Cosmosciences, Hokkaido University
Last modified: 2015/01/26
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