Topic
新しいハプト藻バイオマーカー?:
長鎖アルケンジオン
深海堆積物から見つかった新たなアルケノン化合物

国際深海科学掘削計画(IODP)第339次航海において北東大西洋カディズ湾(Gulf of Cadiz)スペイン沖で採取された深海堆積物コアの中新世末~鮮新世の層準から、新規のバイオマーカー、炭素数38の2不飽和アルケンジオン(C38 alkene-2,36-dione)が発見された(図P1)。この化合物はハプト藻イソクリシス目がもつ長鎖アルケノンに構造が似ている。同一堆積物コアにおける微化石群集の変化との比較により、絶滅したハプト藻Reticulofenestra属に由来する脂質バイオマーカーである可能性が高いと推察される。
 

図P1 中新世~鮮新世の深海堆積物から見つかった長鎖アルケンジオン(C38 alkene-2,36-dione).
本研究室で発見・同定された初めての新規バイオマーカーである。Organic Geochemistry誌に公表(Furota et al., 2016 >>>)。
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