サーバ再構築の風景・その1
0. はじめに
3月の中旬、自分にとっての一大イベントがあった。
専攻 WWW サーバの再構築である。
本人が呪われているのか、単に日頃の軽率な言動の報いなのかは
知らないが、次々とトラブルに見舞われたサーバ管理業務だった。
…その辺の思い出話は次の機会に譲ろう。
とにかくこのサーバ再構築が終われば自分は管理者を引退、
チュータとして隠居する事になるのだが、案の定すんなりとは
引退させてくれなかった。
いわゆる「そうは問屋が卸さない」ってやつなのだろう。
1. 一日目
1.1 ハードウェアの取り付け
朝十時。 現管理者のM政と新管理者のT橋さんがサーバ室に。
電脳大飯店を覗くと二徹目のS木君がハードウェアのチェックをしていた。
M政:「調子はどうだい?」
S木:「とりあえずインストールはさくっとできたよ。」
M政:「そうか。 じゃそろそろ始めるから筐体を持っていくよ。」
S木:「SCSI カードは新しいの付けてね。」
M政:「了解。」
最初に行うのはハードウェアの接続。
まずは古いハードディスクを取り外し、新しいハードディスクを
二枚と IDE カードを取り付ける作業から。
ハードディスクを固定しているケースごと筐体から取り外し
旧 blue のハードディスクを外す。
M政:「よし、外れた。 これにテプラ貼っといてね。」
T橋:「はい。」
M政:「…で二枚取り付けて、と。 よし、できた。」
M政:「次は筐体に取り付け……あ。」
T橋:「どうしました?」
M政:「ハードディスクを前後逆に付けちゃった。 やり直しだ。」
外した時と同じ向きに付ければいいのに。
しかもちょっと確かめればわかることなのに。
…前回と同じペースになってきた。
次に新しいSCSI カードを挿す。
で、蓋を閉めてケーブル類を接続してインストール作業開始。
しかし、失敗。 どうやらハードディスクを認識していない模様。
ここにS木君登場。
S木:「うまくいってる?」
M政:「ハードディスクを認識していないみたいなんだ。」
S木:「ハードディスクの電源ケーブル挿した?」
M政:「あ。」
T橋:「忘れてましたね。」
M政:「ありがとう。 助かったよ。」
S木:「実は俺も同じ事やって一時間はまったんだよ。」
…誰もギャラリーがいない所でボケてもしょうがないのに。
1.2 基本システムのインストール
epcoreのマニュアル
を参照しつつ作業を進めるT橋さん。
特につまづく事もなく進む。 ドキュメントの不備を指摘する余裕すらある。
伊達にM政のせいで何回もインストールをしているわけではないようだ。
1.3 NEWSサーバ再構築の様子
電脳大飯店で NEWS サーバの現管理者T橋君と新管理者のY田さんが
我々と同じ時間帯にサーバ再構築作業をしていた。
ハードウェア構成は我々とほぼ同じにもかかわらず
基本システムのインストールすらできないとのこと。
CD を使用する、IDE カードを使わないでハードディスクを接続するなど
様々な試行錯誤をしたがうまくいかないとか。
Y田:「もうわかりません。」
S木:「俺がやった時はインストールできたんだけどな。」
M政:「やっぱり気合を入れてエンターキーを押さないと。」
Y田:「…そうなんですかね?」
S木:「そういえばもう一つ試していない事があったな」
Y田:「なんですか?」
S木:「フロッピーでゆっくりインストールする方法。」
Y田:「ゆっくり…ですか?」
S木:「充分に時間をおいてからフロッピーを入れ替えるんだ。」
M政:「もうおまじないの世界だな。」
…いや、それでも気合でリターンキーを押すとかよりマシだろ。
1.4 バスケーブル穴空き不良品疑惑
期待に反して (誰の期待だ) WWW の作業は順調。
それに対して NEWS は相変わらずうまくいかない。
こんな状態の時、O高さんが様子を見に来た。
そこにS木君がバスケーブルを持って相談を持ちかける。
S木:「O高さん。」
O高:「なに?」
S木:「バスケーブルにこんな穴空いてましたっけ?」
O高:「え、何これ? こんなの知らないよ。」
よく見るとケーブルの端子のあたりに数ミリの細長い穴が空いている。
予備のケーブルにも穴が空いているものが混じっている。
念の為 WWW のケーブルも確認するとシステムの方には
穴は空いていなかった。
M政:「システムバックアップの方には穴が空いているな。」
S木:「でもまだデータ何も書き込んでないんでしょ?」
M政:「う〜ん。」
O高:「明日業者さんに訊ねておくよ。」
S木:「で、これどうします?」
O高:「判らなくなる前に不良品と書いておいてください。」
で、ケーブルに「あなあきゴミ!!」と書かれた。
しかし、ケーブルを変えても状況は改善されない。
ここで再びO高さんが様子を見に来てディスプレイを眺めて一言。
O高:「これメモリじゃない?」
実はただ単にメモリの挿しが甘かっただけだった事が発覚。
さらにS木君の知り合いからの情報によるとケーブルの穴は仕様らしい。
それにしても、あっさり原因を言い当てるO高さんは凄い。
S木:「で、これ(ケーブルに書いた文字)どうします?」
O高:「消してください。」
S木:「でも油性マジックで書きましたよね。」
O高:「じゃあ…」
「!!」を「?!」に書き換えてケーブルの折り返しに「じゃなかった…」を
書き足した結果が
このページ の
一番目の写真。
O高:「なんかこれ、東○ポみたいだね。」
M政:「いやぁ、いい絵が撮れました。」
…いつか後ろから刺されるぞM政。
02/03/23 作成