海氷のマイクロ波放射特性 (1) |研究紹介index|



図3. 海氷からのマイクロ波放射の模式図
(舘山さん提供)
 

マイクロ波のデータから直接厚さを求めるのではなく, まず海氷の種類分けを行います.本研究では, 4種類の氷種(新生氷, 若年氷, 氷盤氷, 定着氷)に分けて 厚さをそれぞれ0.01〜0.1m, 0.1〜0.3m, 0.3〜0.8m, 0.8〜2.0m と設定しました.

左の図は, 周波数別の海氷からのマイクロ波放射の様子を模式的に表した 図です.観測されたマイクロ波データは温度の情報として与えられるので図中 ではTB37Vのように記載しておきます (これを輝度温度と呼ぶ).

海氷は時間の経過とともに厚さを増し,内部構造が変化し, これが マイクロ波の放射にも影響を与え, 輝度温度の変化となって観測されます. この違いは, 主に海氷の 密度, ブライン量, 塩分量, 結晶構造, 氷内の温度分布 によって生じています.

又, 理論的な計算からマイクロ波は氷の表面付近(数cm)から放射して いることがわかります.つまり,人工衛星による観測では表面付近 の氷の構造の変化をマイクロ波を通じてとらえることで氷の種類の 判別を行っているのです.

詳しく知りたい人の為に

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