あるサーバ管理者の一日・結


〜復旧作業〜

※先に を読んでください。



 本気で現実逃避をしたくなったM政だったが、その現実が自分の行動に起因していて、
それに巻き込まれた多くの人がいる以上、いつまでも逃避しているわけにはいかない。


とりあえず必要なパッケージのインストール作業を済ませる。
いつもなら単純な作業でも、時折様子を見に来る人にこの状況を説明しながらの
作業はいつもの数倍つらい。

この状況を人から聞いて更に人が集まってくる。 自業自得とはいえ、つらい。


M政:インストールはだいたい終わったね。

T橋:じゃあ、K杉田さんを呼んで gate のインストールをしましょう。



地惑の専攻サーバはユーザの管理用にサーバを作っていてユーザの登録などに
Web の CGI を使用している。 他にもセカンダリのメールサーバとしての機能もあり、
WWWサーバは非常に重要なサーバなのだ。管理者は最低だが。


gate などのインストール作業をしている間に別の場所にバックアップを取っていた
/home/ のコピーを開始する。 トータルのデータ量は約11G。
ネットワーク越しにデータを転送するので時間がかかる。 5時間もかかった。

つまり、余計なフォーマットをした為にここで少なくとも5時間は無駄な時間をかけた事になる。


夜になっても復旧する様子がないのを心配してK本先生が様子を見に来た。


K本先生:やぁ。 S木から話は聞いたよ。

M政:すいません。やっちゃいました。

K本先生:まぁ、やってしまった事はしょうがないよ。
     むしろ貴重な体験だと思って後輩に同じ事をしないように教えてあげなさい。


確かに数百人が使用しているサーバのデータを全て消去しかけるなんて
貴重な経験かもしれない。



最後には orange が orage になっているのに気付かないほどへろへろになりながら
一応復旧作業を終えた。 時間は午前3時。

この後飲みに行ったのだが、この時の会話の内容を一部抜粋してみよう。



T橋:えらく時間かかっちゃいましたね。

K杉田:俺はT橋さんに"作業はすぐ終わるから手伝って下さい"って言われたんだけど。

T橋:確かにそう言いましたね。

K杉田:それが10時間だもんな。 だまされたよ。(笑)

M政:すいませんねぇ、僕のせいで無駄な時間かけちゃいましたね。

K杉田:俺は途中からだけど、君たちは最初からでしょ?

M政:ちょうど17時間くらいですね。 予定時間を10時間もオーバーしちゃいました。



S山:それにしてもK杉田がバックアップ取ってあった ssh の公開鍵には救われたな。

M政:ですね。

S山:ほんと、よくあんなの取っておいたよなぁ。

K杉田:先輩に言われて何となく取っておいただけなんですけどね。

M田:あれはもう奇跡と言ってもいいですね。



S山:問題なのはさぁ、規模がでかくなってユーザが管理者の事を何も知らない事なんだよね。

M政:そうですね。

S山:こっちがメンテナンスとか、どれくらい働いているか解っていないんだよね。

K本先生:それ、結構重要な事だよね。

M政:そういうこと考えないで勝手な事言われると腹立ちますね。

S木:例えば○○さんとかね。

M政:まぁ、そのおかげで今回は逆に助かりますね。
   自分が管理している事を知っている人は少ないですから、
   あまり今回の失態はバレなくて済むし。

S木:おいおい、それも問題だろ。

K本先生:まぁ、今回はいい勉強をしたって事でいいけど
     次やったら地惑の人全員おごりで飲み会だね。

S山:もしそうなると…かるく10万越えるな。

M政:…ははは




S山:もしこれでデータが全て消えたら専攻サーバが終わっていましたね。

K本先生:だね。

M政:…自分の首だけじゃすまなかったですね。

S木:その場合は飛ぶのは君じゃなくてH先生の首だね。

K本先生:まぁ、管理責任は我々にあるという事だから。

M政:はぁ…考えたくもないですね。





サーバ管理者の皆様、もしもの時のためにバックアップはきちんと取りましょう。
まぁ、普通こんな失敗はしないでしょうが。(笑)

おしまい


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01/12/23 作成