雨の海べースン

拡大図(167kB) 面には大小無数のクレータが存在しています. 巨大衝突による直径300kmを超えるくぼ地をべースンと呼んでいます.月の海はこうしたべースンに溶岩が噴出することによって形成されたと考えられています.

の海は最大のべースンの一つで直径1100km. アポロ14号,15号が採集したサンプルが雨の海べースン形成時の衝突 による岩石( インパクト・メルト角礫岩)であるならば,雨の海べースンはおよそ38.5〜38.4 億年前に起こったと予想されます.

層の重なり具合を見ることによってこの地域の 歴史を明らかにすることが出来ます.方法は簡単で,新しい地層は古い地層 の上にあるという原理(地層累重の法則) を適応すれば良いのです.

3を拡大してみて下さい.コペルニクスクレータの噴出物 (光条,二次クレータ)がエラストテネスクレータの縁を通り,コペルニクスがエラストテネスより新しいことが分かります.アルキメデスとエラストテネスでは,前者の内部が雨の海を作った溶岩で満たされている一方で,後者には中央丘が残っているので, 古い順にアルキメデス⇒雨の海の溶岩噴出⇒エラストテネス となります.アペニン山脈は雨の海べースンの縁で,アルキメデスがアペニン山脈より内側にあることから,アルキメデスは雨の海べースンより後に形成されたことが分かります.以上から古い順に,雨の海べースン⇒アルキメデス⇒雨の海溶岩噴出⇒エラストテネス⇒コペルニクスとなります.

写真3 雨の海べースン(左上).
写真4 南部地域の拡大図(右下).クリックするとさらに大きな図を見ることが出来ます(167KB)
CONSOLIDATED LUNAR ATRAS
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Last Update on 2002.Oct.8
by Yuuichi Nakagami