SHU (Science-instruments Handling Unit)


  JEM-GLIMSの2式の光学観測機器 (LSI, PH) および電波受信器 (VLFR, VITF) を制御するため,コマンド/テレメトリの制御を行うため,そしてイベントトリガ制御とデータ取得を行うため,オンボードコンピュータ1台を搭載する。このコンピュータは,理学機器制御ユニット (SHU : Science-instruments Handling Unit) と呼ばれる。 Fig.1にSHUの写真を,Table 1にSHUの仕様をまとめる。

Picture of GLIMS Instruments
Fig.1 理学機器制御ユニット (SHU)

Table 1 SHUの諸元
Item Values
Main Function Poewr control
Data acquisition
Event trigger
Data comppression
GPS time synchronization
Command interface
Telemetry interface
FPGA Vertex II XQ2V1000-4FG456N
40MHz, Configuration ROM 512kbyte
CPU SH2 HD64F7145FW50
40MHz, 外部RAM 8MByte
S-RAM 8MB x 2 for FPGA
(temporal data fuffering)
8MB for CPU
Mass Memory 128MB Flash ROM
Dimension 250 × 210 × 60 mm3
Mass 1.7 kg
Power 10.3 W

  SHUはJEM-GLIMSのデータ処理を行う機器であり心臓部といえる。質量2.1kg, W 250mm, D 210mm, H 60mm のアルミニウム筺体からなり,FPGA (Vertex II XQ2V1000-4FG456N @40MHz, Configuration ROM 512kbyte),CPU (SH2 HD64F7145FW50 @40MHz, 外部RAM 8MByte) を中心に構成されている。LSIとPHは,SHU内部のFPGAのIOピンが直接制御している。VLFRはスタンフォード大学で開発された機器であり,クロック同期式シリアルバスでSHUと通信を行う。一方,VITFはクロックを2MHzに高速化したLC-BUSでSHUと通信を行う。
FPGAは主に以下の機能を有する。
 ・LSI, PHのデータをAD変換してメモリに取り込む
 ・送受信FIFOデータをクロックに同期してLC-BUSに送受信する
 ・急激な光量増加,あるいは電磁パルスの増加を検出する
 ・センサーの各種スイッチをメモリにマップする
このようにFPGAはSHUのほとんどの機能を担当する。一方CPUは,以下の機能を有する。
 ・送信データの編集
 ・コマンドの解釈とそれに伴うレジスタの操作
 ・データ圧縮
SHUをスケジュール動作させるには,時刻とコマンドの組が記述されたシーケンスファイルをMDPに送信する。MDPはこのテーブルを毎秒スキャンして,必要な時刻にSHUに対して送信することで,GLIMSは自動的に動作を行う。