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1999年度
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* 本セミナーは Mosir Project によって映像撮影/公開されています. |
日時 : 2004/03/02(Tue) 16:30 - 18:00
場所 : 理学 8 号館 1F, 共用セミナー室(8-1-03)
話者 : 相沢 智康 (北海道大学 大学院理学研究科 生物学専攻)
ポストゲノム時代と言われる現在、ゲノムから翻訳され作られるタンパク質 について、その立体構造の解析が進められている。立体構造情報は、ゲノム 情報から得られる単なる一次配列情報以上に、その機能を知る上で極めて重 要な情報となるからである。我々の研究グループは、タンパク質の立体構造 と機能の関係について幅広く研究を展開しているが、今回のセミナーでは、 タンパク質の立体構造解析の概要と意義について、最近我々が研究に力を入 れている昆虫由来タンパク質の研究を具体例として紹介する。 昆虫は地球上でもっとも繁栄している動物と言える。全動物種の4分の3は昆 虫であると言われており、種々の環境にさまざまに適応、進化し生育している からである。よって、昆虫をはじめとする無脊椎動物においては、タンパク質 分子レベルでも脊椎動物由来のそれとは異なった興味深い進化が見られること が期待される。そこで、最近我々のグル-プが立体構造解析に成功した、いくつ かの無脊椎動物由来タンパク質、(細胞間の情報伝達を担うサイトカイン、異物 から生体を防御する抗菌タンパク質など)について、その立体構造解析を中心と した研究について詳しく紹介し、何が分かり何がまだ分からないか、議論してい きたい。
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日時 : 2004/02/23(Mon) 16:30 - 18:00
話者 : Ralf Greve (北海道大学 低温科学研究所)
One of the most prominent features of the Martian surface are the polar ice caps which can even be seen in small amateur telescopes. They show very strong variations during a Martian year, with maximum seasonal extents equatorward to approximately 55°N/S during winter and minimum residual extents within 80°N/S during summer. The seasonal caps consist of some ten centimeters of CO2 snow, and their annual sublimation/condensation cycle generates a meridional mass flux which transports approximately one third of the entire atmosphere mass from the north to the south and back. By contrast, the smaller residual caps are underlain by massive topographic structures known as the polar layered deposits. Owing to the Mars Orbiter Laser Altimeter (MOLA) measurements of the Mars Global Surveyor (MGS) spacecraft, the surface topographies of the residual ice caps and layered deposits are mapped very precisely and show elevations of up to three kilometers with respect to the surrounding terrain. Their volumes are estimated as more than 10^6 km^3 each, and it is clear that they cannot be composed of CO2 ice because of its too low viscosity. Therefore, the most likely composition is H2O ice with an unknown amount of mixed-in dust and, perhaps, clathrate hydrates. In this overview talk, the current knowledge of the Martian polar ice caps is reviewed. Further, dynamic/thermodynamic simulations with the ice-sheet model SICOPOLIS are discussed which aim at reconstructing the history of the north polar residual-cap/layered-deposits complex during the climate cycles of the last ten million years.
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日時 : 2004/02/18(Wed) 16:30 - 18:00
場所 : 理学 8 号館 1F, 大講義室(8-1-08)
話者 : 永田 晴紀 (北海道大学 大学院工学研究科)
当研究室では,小型打上げロケット用エンジンに適用可能な,小型・ 高推力ハイブリッドロケット(プラスチックと液体酸素を推進剤と する,無火薬で安全・安価なロケット)の研究開発を行っている. 縦列多段衝突噴流(Cascaded Multistage Impinging-jet,CAMUI) 方式という新たな燃焼方式により高推力化に成功し,これまでに2 回の打上げ実証試験を成功させてきた.今回は,これまでのCAMUI型 ハイブリッドロケット開発の経緯,および,CAMUI型ハイブリッドロ ケットによる高層気象観測ロケットの開発計画について紹介する. また,ロケット技術者はどのような目で科学ミッションを捉えてい るかを解説し,エンジニアとミッションユーザの視点の違いについ ても論じる.
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日時 : 2003/12/22(Mon) 16:30 - 18:00
場所 : 理学 8 号館 1F, 共用セミナー室(8-1-03)
話者 : 関根 康人 (東京大学 理学系研究科 地球惑星科学専攻)
タイタンは土星の最大の衛星で、窒素、メタンなどを主成分とする大気を もっている。なぜタイタンには大気があるのか?その起源は?なぜカリスト ・ガニメデにはないのか? などといった問題は1980年代から様々な仮説が 提案されてきた。今回の発表では、これらの仮説を紹介し、問題点を議論す る。そしてその問題点のひとつである原始ガス惑星円盤内でのCOのメタン化 プロセスについて、触媒反応に注目し実験を行った。その結果、メタン化反 応は、従来の研究による予想とは異なり、ある温度領域のみで効率的に反応 が進行することが分かった。 またその後、原始ガス円盤は時間とともに冷却しガス成分の一部はクラスレ イト・ハイドレートととしてタイタンの材料物質である微衛星に取り込まれ ると考えられる。その時、原始ガス円盤において、メタン化反応がおきた領 域とおきない領域で形成される微衛星内の揮発性成分をクラスレイト・ハイ ドレートの数値計算を行うことによって求めた。その結果、メタンに富むタ イタンの大気を説明するためには(1)メタン化反応がおきた領域の材料物 質からタイタンをつくる、もしくは(2)もともと星雲ガスに含まれていた、 CO2とメタン(分子雲などが由来)から、それらに富む材料物質ができ、それ でタイタンをつくる、といった可能性が考えられる。 そして、最後に、カリスト・ガニメデが大気を持たない理由やカッシーニ・ ホイヘンス探査によってタイタンの大気の起源がどこまで明らかにされるのか いうことについて議論する。
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日時 : 2003/12/16(Tue) 16:30 - 18:00
話者 : 大竹 秀明 (北海道大学 大学院地球環境研究科)
冬季日本海では低気圧の通過にともない、様々な筋雲をGMSなどが 提供する衛星写真でみることができる。日本海では筋雲といっても、 様々な形態のものが存在する。良く知られいるのはJPCZ(日本海寒 帯気団収束帯)にみられる帯状雲であり、北陸地方に大雪を降らす ことがしばしばある。一方、北海道西岸ではMuramatsu(1979)によ り、特に太い筋雲(以下、村松バンドと略す)が発生することが報告 されており、風上地形の影響を強く受けていると推測されている。 しかし、これまでの研究の多くは画像解析によるものが多く、筋雲 の特徴を調べる研究が多かった。また、この海域での観測はほとん ど行なわれていないため、成因に関する理解が不十分である。本講 演では、まず日本海に見られる筋雲や収束帯の特徴についてこれま での研究を紹介する。次に、数値モデルを用いて、この村松バンド の発生、発達過程について議論を行なう。
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日時 : 2003/12/11(Thu) 16:30 - 18:00
話者 : 須股 浩 (北海道大学 大学院理学研究科 地球惑星科学専攻)
近年, 北極海で海氷の占める面積が減少していることが指摘されているが, なかでも西部北極海の Northwind 海嶺から Chukchi 海台付近にかけての 海域は, 海氷の後退が著しい. 原因の一つとして, この海域では周囲と比 べて比較的高温の海水が亜表層に分布していることにより, 海氷が融け易 く凍り難い状態にあることが挙げられる. この亜表層に分布する海水は, 夏期に陸棚域を経由して太平洋から流入し たものであると考えられているが, 何故この場所に集中的に存在するのか, その理由が明らかでない。 この問題を考えるための最初の糸口として, Northwind 海嶺の斜面に見ら れる特徴的な流れの構造(傾圧構造)に着目し, 線形準地衡流二層の簡単な 解析モデルを適用して流れ場の説明を試みた. この流れ場は、夏期に陸棚 域で生成された高温の海水を Northwind海嶺付近へ選択的に運ぶ役割を担 っている可能性があり, この海域の海氷減少を説明する上での有力なメカ ニズムとなり得る.
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日時 : 2003/12/03(Wed) 16:30 - 18:00
話者 : 日置 幸介 (国立天文台)
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日時 : 2003/11/21(Fri) 16:30 - 18:00
話者 : 山本 清彦 (東北大学 地震・噴火予知研究観測センター)
[講演要旨] 野島断層の近傍で測定された応力は,断層破砕帯は断層運動を発生させるようなせん 断応力を蓄えていないことを表していました.この事実から断層を,強度に対して重 要な役割をする「アスペリティーセグメント」と破砕された岩石が詰まった「アパー チャーセグメント」すなわち「破砕帯セグメント」からなっていると考えてみます. 破砕帯周囲で測定された応力から破砕帯の弾性を推定すると,「アスペリティーセグ メント」が断層面にしめる割合が小さいとき断層の強度が小さくなることがわかりま す. 上に述べた有限幅をもつ断層の模型で,アスペリティーのせん断歪が解消するのに必 要な変位を臨界変位量とします.破砕帯中には「アスペリティー」の破壊で解放され る歪エネルギーによって断層面ができます.破砕帯で消費されるエネルギーを臨界変 位量に対して見積もると,従来地震学的に求められてきた破壊エネルギーに一致する ことがわかりました.また,「アスペリティー」の破壊で解放される歪エネルギー が,破砕帯で消費されエネルギーと地震波エネルギーになると考えると,「アスペリ ティー」が断層面にしめる割合は高々 5 % 程度に見積もられます.この関係は断層 一般にたいしてなりたつと考えられますから,上の議論とあわせて断層の強度は一般 に小さいのではないかと推察されます.
(本講演のねらい)
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日時 : 2003/11/05(Tue) 16:30 - 18:00
話者 : Ivan Kutiev
(Geophysical Institute of the Bulgarian
Academy of Sciences in Sofia, Bulgaria )
"Space weather" refers to conditions on the sun and in the solar wind, magnetosphere, ionosphere, and thermosphere that can influence the performance and reliability of space-borne and ground-based technological systems and can endanger human life or health. Adverse conditions in the space environment can cause disruption of satellite operations, communications, navigation, and electric power distribution grids, leading to a variety of socioeconomic losses. In mid-90's US space scientists and geophysisits initiated a National Space Weather Program (NSWP) as an attempt to demonstrate the ability of science to serve the immediate and future society requirements and needs. In late 90's Space Weather (SW) is already one of the most contemporary issue among space science activities. SW programs or relevant initiatives have been set up in Europe, Japan and Australia. These programs are now closely coordinated by various international scientific organizations as COSPAR, SCOSTEP, IUGG, AGU, EGS and others, through their congresses, assemblies, conferences, etc. An important part of SW programs is the effort to attract the public sector interest (and investments) to their activities. The various SW activities can be divided into three main groups: i) operational specification and forecasting (available at numerous Web sites), ii) research and modeling and iii) educational approach. As a part of several SW-related European projects, some modeling efforts will be discussed, especially the empirical modeling and forecasting of ionospheric state over Europe. Finally, some preliminary results obtained during the author's stay at Hokkaido University will be also shown.
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日時 : 2003/10/23(Thu) 16:30 - 18:00
話者 : 吉田 聡 (北海道大学 大学院理学研究科 地球惑星科学専攻 )
冬季、北西太平洋や北大西洋上では中心気圧が24時間で24hPa以上も低下する 低気圧(爆弾低気圧)がしばしば現れる。この低気圧は急激な発達に伴って強風 や豪雪をもたらすため、防災上その正確な予測が求められている。また、大き な水・熱輸送を伴うことから、地球規模のエネルギー循環にも影響を与えると 考えられている。しかしながら、北西太平洋域で発達する爆弾低気圧に関する 研究は大西洋に比べて少なく、その特徴は明らかではない。 本発表では、気象庁全球客観解析データを用い、北西太平洋域で発達する爆 弾低気圧の移動経路、発達環境、内部構造および発達要因を明らかにする。さ らに爆弾低気圧の発達に伴う気流構造および水蒸気輸送の変動について議論す る。
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日時 : 2003/09/25(Thu) 16:30 - 18:00
話者 : 佐々木 晶 (東京大学 理学院研究科 地球惑星科学専攻)
月の岩石とソイルの色の違い, 小惑星と隕石の色の違いを説明するため, 「宇宙風化作用」という概念が30年前に生まれた. Hapkeは当初から, 微小鉄粒子の生成がその原因であると主張していたが, 私たちのグループ は, 実験によって初めて, 反射スペクトルの変化(低下・赤化)が, 微小 鉄生成によってもたらされることを明らかにした. 将来的には, 大気の無 い天体の年代学を構築できるのではと考えている. 一方, 火星や金星では, 大気との化学相互作用や, ダストコーティングで表面の反射率が変化する. 氷衛星の表面も時間とともに暗くなるのが知られている.さらに最近, カイ パーベルト天体も. 時間とともに, 反射率が低下・赤化すると言わ れている. 「色」の変化を手がかりに, 太陽系天体の進化を考えてみたい.
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日時 : 2003/09/02(Tue) 16:30 - 18:00
話者 : 杉原 孝充 (北海道大学 大学院理学研究科 地球惑星科学専攻)
月の進化過程の理解は, Apollo という偉大なサンプルリターンミッション 以降, ここ10年で大きな変化を向かえている.そこでのキーワードは「月の 初期進化過程」である. つまり, 月の形成初期, 特にマグマオーシャンの時 代に生じた現象は, その後の月進化に大きな影響を与え, 月の熱, 物質進化 について決定的な方向性を与えてしまったことが明らかになりつつある. このような月進化の理解は, 1994年, 1998年にそれぞれ打ち上げられた Clementine と Lunar Prospector という月探査衛星の成果が大きく貢献し ている. そして, 2005年には日本独自の月探査衛星 SELENE が打ち上げられ, さらに理解は進むだろう. これらの探査の中では, 分光リモートセンシング 観測によって, 月表層物質を地球化学的, 岩石学的に理解することが重要な 役割を担っている. では, 分光リモートセンシングという手法によって, 惑星を構成する固体物 質について, どのように情報を抽出することができるのであろうか. この講 演では, リモートセンシング観測による固体物質についての情報抽出法, そ れによって理解されることを, 前述のキーワード「月の初期進化過程」の解 明を軸に, 演者の研究結果も踏まえて概説する. そして, 今後の探査によっ て, どのように残された問題の解決を計るのか、議論する。
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日時 : 2003/07/15(Tue) 16:30 - 18:00
話者 : 青木 直史 (北海道大学 大学院 工学研究科 電子情報工学専攻)
本発表では,「工学的アプローチによる音声音響情報処理」と題して,演者が 取り組んでいる研究課題を中心に,音声音響情報処理に関するいくつかの話題 について提供することを予定している. (1)VoIPにおけるパケット損失の隠蔽 VoIP(Voice over Internet Protocol)は,本来リアルタイム通信に不向きな ベストエフォート型のパケット通信により音声通話を実現するため,パケット の消失や遅延といった通信上のエラーが通話品質を低下させるという原理的な 問題を抱えている.本研究ではreceiver-basedのエラー隠蔽手法である2-side PWR(pitch waveform replication)法を基に,sender-basedの補助情報を追加 することで,より効果的にエラー隠蔽を行う方法を提案する.提案法はステガノ グラフィにより補助情報を伝送するため,従来のVoIP伝送フォーマットを変更す る必要がないという利点を有する. (2)最適化処理に基づくギタータブ譜の自動作成 ギターは隣り合う弦の音域が互いに重なり合うように調律されるため,同一の ピッチを複数のポジションで発音させることができる.そのため,ピッチを記述 した五線譜だけでなく,ポジションを記述したタブ譜も併用するほうが,ポジシ ョンの選択に不慣れな初心者の演奏支援に有効であると考えられる.本研究では, 遺伝的アルゴリズムを適用することで五線譜からタブ譜を自動作成する手法につ いて検討している.本研究では,実際にクラシックギターの楽曲に対して提案法 を適用し,その有効性に関する評価実験を行った. (3)音声データベースを利用した音声の合成 近年,インターネットのブロードバンド化とともに,インターネットを巨大な計 算機環境として利用するアプリケーションの開発が本格化しつつある.一方,イ ンターネットをインフラとして世界中からボランティアを募り,共同でアプリケ ーションの開発を推進するオープンソースの考え方も定着しつつある.本研究は, このような背景を鑑み,音声合成システムの開発を効率的に推進するためのイン フラ整備を目的として,XML(eXtensible Markup Language )による音声データ ベースのオープンコンテンツ化に関する検討を行っている.
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