■■ 森 羅 万 象 セ ミ ナ ー ■■

2 0 0 4 年度 ||||| 2013年度 || 2012年度 || 2011年度 || 2010年度 || 2009年度 || 2008年度 || 2007年度 || 2006年度 || 2005年度 || 2003年度 || 2002年度 || 2001年度 || 2000年度 || 1999年度 |
 日 時    話 者   題 目 講演ビデオ 講演資料
02/28(Mon)
16:00-
Anthony Toigo (神戸大自然) Modeling Martian Dynamic Meteorology VIDEO --
02/22(Tue)
16:30-
中野渡 拓也 (北大地惑) 太平洋とその周辺領域における降水量の二十年と準十年変動 VIDEO --
01/12(Wed)
15:30-
坪木 和久 (名大水循環) 台風と局地豪雨の雲解像モデルを用いた数値シミュレーション VIDEO --
01/07(Fri)
10:00-
石岡 圭一 (京大地惑) 順圧不安定による擾乱発達の上限値問題 VIDEO --
12/21(Tue)
16:30-
小山 幸子 (北大電科研) 言語音に対する脳磁場反応 -日米話者比較- VIDEO --
12/09(Thu)
10:30-
中本 泰史 (筑波大計科セ) コンドリュールの衝撃波加熱形成モデル --- --
10/18(Mon)
16:30-
稲葉 知士 (東工大地惑) 惑星系の形成論 VIDEO --
09/17(Fri)
16:30-
高井 昌彰 (北大情報基盤センター) 北大HINESの現況と展望 -- --
09/01(Wed)
16:30-
三好 由純 (名大 STE 研) 太陽活動周期における放射線帯変動 〜データ解析と数値実験〜 VIDEO --
07/30(Fri)
16:00-
稲津 將 (東大 CCSR) 地表面および放射強制力に対するストームトラックの応答 VIDEO --
05/25(Tue)
17:00-
徂徠 和夫 (北大物理) 苫小牧11m電波望遠鏡によるNH3スペクトル線探査観測計画 VIDEO --
04/20(Tue)
16:30-
高橋 芳幸 (北大地惑) 火星大気中の熱潮汐波の特徴 VIDEO --

* 本セミナーは Mosir Project によって映像撮影/公開されています.

 
 
日時 : 2005/02/28(Mon) 16:00 - 17:30
場所 : 理学 8 号館 1F, 共用セミナー室(8-1-03)

話者 : Anthony Toigo (神戸大学 自然科学研究科 地球惑星システム科学専攻)
題目 : Modeling Martian Dynamic Meteorology

日時 : 2005/02/22(Tue) 16:30 - 18:00
場所 : 理学 8 号館 1F, 共用セミナー室(8-1-03)

話者 : 中野渡 拓也 (北海道大学 大学院理学研究科 地球惑星科学専攻)
題目 : 太平洋とその周辺領域における降水量の二十年と準十年変動

近年,十年〜百年スケールの気候変動が大きな注目を集めている。 これらの十年〜百年スケールの変動は,いくつかの主要な時間ス ケールを持つことが提案されている。その主要なものに,二十年 と準十年変動が挙げられる。二十変動は,我が国の気候にも影響 の大きなアリューシャン低気圧に活動の中心を持っていることが 知られており,日本の気候変動を議論する上でも興味深い。一方 ,準十年変動は,熱帯太平洋の海洋表面温度に変動の極大が確認 されている。従来,二十年と準十年の時間スケールを持つ変動に 着目して,気温・海洋表面温度・気圧などは全球規模の解析がな されていたが,人間生活に密接に関わる降水量については,全球 規模の解析はもとより、北太平洋規模の解析すら行われていなか った。なぜなら,降水データは海表面温度等に比べて信頼できる データが少ないため,二十年や準十年の時間スケールの変動をグ ローバルなスケールで統計的に議論するのに不十分であったから である。

本研究では,既存の独立な降水データを複数併用することで,そ れぞれのデータの持つ欠点を補い合い,結果の信頼性を向上させ ることで,降水量の準十年と二十年変動について,全球規模の空 間・時間構造を明らかにし,さらにその降水量変動が大気循環場 の変動とどう結びついているか,また周辺地域にどのような影響 を与えるのかをデータ解析の立場から明らかにした。

本講演では,降水の二十年と準十年変動の全球構造,降水の二十 年変動に対する水収支解析,そして降水の準十年変動の予測可能 性について,これまでに得られた解析結果を示したい。

日時 : 2005/01/12(Wed) 15:30 - 17:00
場所 : 理学 8 号館 1F, 大講義室(8-1-08)

話者 : 坪木 和久 (名古屋大学 地球水循環研究センター)
題目 : 台風と局地豪雨の雲解像モデルを用いた数値シミュレーション

2003年・2004年に国内において多くの豪雨災害が発生しました。それらは梅雨 前線か台風に伴うものがほとんどで、このような豪雨のメカニズムの解明と予 測精度の向上は、防災上不可欠です。一方でこのような局地的な豪雨は、水循 環の立場からすると、広域に広がる水蒸気が雲・降水プロセスによって、狭い 領域に集中するという、地球大気の水循環のもっとも顕著な例となっています。 このような豪雨は積乱雲やその組織化したシステムによってもたらされます。 このためその数値シミュレーションには、雲を解像する数値モデルが必要です。 我々はこれまで雲解像数値気象モデル CReSS (Cloud Resolving Storm Simulator)の開発を行なってきました。このモデルは非静力・圧縮系のモデル で、理想条件を与えての数値実験だけでなく、3次元的な初期値と時間変化す る境界値を与えて、実際の気象のシミュレーションを行なうことができます。 今回はこのモデルを用いて、梅雨や台風に伴う局地豪雨のシミュレーションに ついての紹介をします。まず、数値モデルCReSSの簡単な紹介をし、具体的な 例として、局地豪雨については、2003年7月の熊本県水俣市の豪雨、2004年7月 の「平成16年7月新潟・福島豪雨」を、台風については強風災害をもたらした T0418号と、兵庫・京都北部の豪雨災害をもたらしたT0423号について主にお話 したいと思います。このモデルは大規模並列計算機用に開発したもので、地球 シミュレータを用いた計算の結果も含めたいと考えています。

日時 : 2005/01/07(Fri) 10:00 - 11:30
場所 : 理学 8 号館 1F, 共用セミナー室(8-1-03)

話者 : 石岡 圭一 (京都大学 理学研究科 地球惑星科学専攻)
題目 : 順圧不安定による擾乱発達の上限値問題

帯状流が順圧不安定であるとき, 擾乱が発達していき有限振幅を持つ ようになる. このとき, その発達の上限がどの程度であるのかという ことは当然興味の対象になる. 本講演では, 系の保存則を組み合わせ てこの上限値を計算するための理論について, できるだけ基礎から解 説する予定である.

日時 : 2004/12/21(Tue) 16:30 - 18:00
場所 : 理学 8 号館 1F, 共用セミナー室(8-1-03)

話者 : 小山 幸子 (北海道大学 電子科学研究所)
題目 : 言語音に対する脳磁場反応 -日米話者比較-

超伝導量子干渉効果を利用した高感度な磁気センサ (超伝導量子干渉 素子 ; Superconducting Quantum Interference Device: SQUID) を 用いることで、脳の神経活動に伴って生じる微弱な磁場変化を検出す ることが可能である。 本研究では、音声知覚の神経基盤を検索することを目的に、日本語 話者にとって聞き分けが困難な /la/, /ra/ 音を用いて 日本語話者、 米語話者から聴覚皮質の脳磁場反応を記録、 解析した。日本語話者、 米語話者共に母音から先行子音へのマスキング(※)効果を示唆する結 果が得られた。日米話者間で聴覚皮質の活動パタンの差は大きく認め られ、その差は潜時 70 ms から生じていた。これは、音声知覚に先立 つ聴覚知覚の初期段階で既に話者間の処理様式が異なっていることを 示しているのかも知れない。

※ ある音の最小可聴値が同時または時間的に近接して提示される (時間間隔が 150-200ms 以内) 他の音のために上昇する現象。 日常生活で、うるさい場所では会話音が聞きづらくなったりす るなどの現象もこれに含まれる。

日時 : 2004/12/09(Thu) 16:00 - 17:30
場所 : 低温研 3 階 会議室 (320 号室)

話者 : 中本 泰史 (筑波大学計算科学研究センター)
題目 : コンドリュールの衝撃波加熱形成モデル

コンドリュールは、惑星形成以前の原始太陽系星雲内の物理・化学 過程の痕跡をとどめていると考えられ、その形成過程を調べることは、 惑星系形成過程を明らかにする上で重要な意義を持つと思われる。 コンドリュールの形成モデルとして現時点で最も妥当と考えられて いるものは,衝撃波加熱モデルである。 この衝撃波加熱モデルを簡単に紹介し、その到達点、問題点、今後の 可能性、惑星形成過程との関連、などについて議論したい。

日時 : 2004/10/18(Mon) 16:30 - 18:00
場所 : 理学 8 号館 1F, 共用セミナー室(8-1-03)

話者 : 稲葉 知士 (東京工業大学 理工学研究科 地球惑星科学専攻)
題目 : 惑星系の形成論

日時 : 2004/09/17(Fri) 16:30 - 18:00
場所 : 理学 8 号館 1F, 大講義室(8-1-08)

話者 : 高井 昌彰 (北海道大学 情報基盤センター)
題目 : 北大HINESの現況と展望

北大キャンパスネットワークHINESは平成元年に第1期システム の運用が開始され、現在ギガビットイーサを基盤に据えた第4期 システムが運用されている。接続ホストは2万6千台をこえ、学 生・教職員2万1千人の教育研究活動を支える情報インフラとし て定着している。しかし、国立大学法人化後のHINES運営の境界条 件は厳しい状況にあり、また一方で、拠点研究機関のネットワーク 基盤としてのクオリティ向上が求められている。HINES現システム のアーキテクチャとセキュリティ対策ならびに運用組織体制を中心 に、現況と展望について述べる。

日時 : 2004/09/01(Wed) 16:30 - 18:00
場所 : 理学 8 号館 1F, 共用セミナー室(8-1-03)

話者 : 三好 由純 (名古屋大学 STE 研究所)
題目 : 陽活動周期における放射線帯変動 〜データ解析と数値実験〜

ジオスペースにおいて、内部磁気圏とよばれる領域(おおよ そ静止軌道衛星の高度まで)には、相対論的なエネルギーをも つ粒子から形成される放射線帯と呼ばれる領域が存在する。こ の放射線帯は、特に磁気嵐の時に消失・再形成を伴う大規模な 変動をすることが知られており、その変動のメカニズムの解明 には、現在の宇宙天気研究の中心的な課題の一つとなっている。

この磁気嵐に伴う変動は、数日程度の時間スケールの変動であ るが、私たちはさらに長い時間スケール、"太陽活動周期"、にお ける、放射線帯粒子の時間・空間変動に注目した研究を、データ 解析と数値実験の両面から進めている。セミナーでは、データ解 析から見出された太陽活動に同期する放射線帯の大規模な空間構 造の変化を示すとともに、その要因を検討するために行った数値 実験のモデルデザインならびに実験結果について紹介する。

日時 : 2004/07/30(Fri) 16:00 - 17:30
場所 : 理学 8 号館 1F, 共用セミナー室(8-1-03)

話者 : 稲津 將 (東京大学 CCSR)
題目 : 地表面および放射強制力に対するストームトラックの応答

現実的、理想的、あるいは倍増CO2(二酸化炭素)の境界条件下で大気 大循環モデル実験を行い、ストームトラック(総観規模の擾乱の活動度が 大きいところ)に関する幾つかのテーマを議論する。

まず、南半球冬季のストームトラックの東西非対称性の形成について調 べた。 熱帯または中緯度の海面水温(SST)の東西非対称性を除いた 実験の結果、中緯度のSSTの南北勾配は下層の総観擾乱に伴う熱フラッ クスを強く制御している一方、熱帯のSST分布が亜熱帯インド洋からニ ュージーランドにかけて伝播する定常ロスビー波を通じて対流圏上層のス トームトラックおよび定常波に大きな影響をもたらすことがわかった。こ の波は南東アジアの深い対流からの絶対渦度フラックスによって生成され ていた。

第2に、前述のSSTに対するストームトラックの応答を、水惑星実験を 使って検証した。これにより、中緯度のSSTが下層のストームトラックに、 また熱帯のSSTが上層のストームトラックと定常波に、影響を及ぼすこと をより明確に示すことができた。最後に、CO2倍増実験について調べた。 温暖化時、赤道と極の間の地表面温度差の減少に伴ってストーム活動が弱く なるという先験的な推測に反して、ある実験では太平洋と南半球のストーム トラックはむしろ強化された。しかし、与えたSSTに対するストームトラ ックの応答の鋭敏さは考慮しなければならないだろう。

日時 : 2004/05/25(Tue) 17:00 - 18:30
場所 : 理学 8 号館 1F, 共用セミナー室(8-1-03)

話者 : 徂徠 和夫 (北海道大学 理学研究科 物理学専攻)
題目 : 苫小牧11m電波望遠鏡によるNH3スペクトル線探査観測計画

星は星間空間に漂う分子ガスが集まり密度が高くなって生じる。 これまでに、国内外のグループによるCOやその同位体のスペクト ル線観測から、銀河系(天の川)内での分子ガスの分布の全体像 が明らかになってきたが、星形成が起こっている場所(分子雲の 奥深く密度の高い領域)については、個々の星形成領域について は観測があるものの、巨大分子雲全体あるいは銀河系全体に及ぶ ような観測はなされていない。このような状況を踏まえ、私たち は苫小牧11m電波望遠鏡によるアンモニアのスペクトル線観測に よって、銀河系内のどこで星が形成されるか、また星形成が起こ るための分子ガスの条件(温度、密度)を明らかにすることを目 指している。アンモニアのスペクトル線観測を実現するために、 私たちは望遠鏡の移設以来システムの改修を進めてきたが、この ほど漸くスペクトル線の試験観測ができるようになり、観測開始 の目処が立ってきた。これまでの進捗も含めてアンモニア観測計 画について紹介する。

日時 : 2004/04/20(Tue) 16:30 - 18:00
場所 : 理学 8 号館 1F, 共用セミナー室(8-1-03)

話者 : 高橋 芳幸 (北海道大学 大学院理学研究科 地球惑星科学専攻)
題目 : 火星大気中の熱潮汐波の特徴

火星は自転周期や黄道傾斜角が地球のそれらと近い。一方、惑星半径は地球の それの約半分であり、表面にも海がないなど地球とは大きく異なる特徴も持つ。 このような条件下でどのような大気大循環が形成され、どのような大気波動が 存在するのかを知ることは、地球や火星を含む様々な惑星大気の循環を統一的 に理解するための第一歩となる。 今回我々は、火星大気中で観測される様々な現象の中から火星大気中で励起さ れる熱潮汐波に注目した。熱潮汐波とは太陽放射による加熱によって励起され る全球規模の大気波動である。これまでの探査機による観測から、火星大気中 の熱潮汐波の振幅は非常に大きいことが知られている。このため、熱潮汐波は 火星大気大循環の重要な要素の一つであると考えられており、風速や温度に大 きな変動を生じさせるとともに、特定の条件下では強い子午面循環を駆動し、 強い乱流混合を発生させることも示唆されている。しかし、これまでの研究は 主に東西平均風や散逸効果を無視して大気の線形応答を調べる古典的潮汐理論 (classical tidal theory) に基づくものであった。そのため平均風や散逸効 果が存在する現実の火星大気中の熱潮汐波の構造は過去の研究から示されてい るものとは大きく異なる可能性がある。今回は、火星大気大循環モデルと線形 応答モデルを用いた数値実験の結果に基づき、火星において平均風や散逸過程 がどのように熱潮汐波の構造を変形させるのかについて議論したい。

| 森羅万象学校 || Mosir Project || 惑星物理学研究室 |
| 宇宙理学専攻 || 地球流体電脳倶楽部 || WIDE School of Internet |

Copyright © 2004 sinra group All rights reserved.
This page updated on Nov. 19, 2013